ここ、どこですか?
「……」
俺が起きたとき、どこだか知らない場所にいた
漫画やテレビの中、ゲームの中でしか見たことのない中世的な豪華な部屋
そこには、俺の幼馴染が2人と、知り合いの大人の人が2人いた
「あ、宋壬、起きた!」
「おー、はよ」
「……うん、おはよう」
特にいつもと変わらない様子で双子が挨拶をしてくれたので、まだぼんやりする頭で俺も返事をしておいた
「「もう少し驚けよ(きなよ)」」
冷慈の叔父さんの柊さんと、その親友のグルーガンさんがそんなことを言っているので3人で顔を見合わせて首を傾げておく
「え、だって来ちゃったものは仕方ないじゃないですか。あ、でもここどこですか?」
「おっさんがいるなら大丈夫だと思うし」
「……お腹すいた」
双子のいつも通りの動じない反応も俺は見飽きていて何とも思うことも無い。
それよりも、お腹が空いたな。そういえば……朝ごはん食べたっけな
……いや、食べたんだった。
すっかり忘れてた
それでもお腹は空いたので、俺は双子にお腹が空いたことを伝える
「あーもうはいはい。ほらこれあげるから」
「ほれ、これもやるよ」
「ありがとう、二人とも」
二人がポケットから出したお菓子は彩詞がチョコで哀詞が飴。
うん、おいしいな。お菓子を食べておいしく感じるってことはここは悪いところじゃない、と思うんだ
「……あ、そういえば外が騒がしいですね」
「あぁ、今日は体育祭をするとかって言ってたな」
「え?ここ学校なのかよ」
聞けば今日は体育祭という答えが柊さんからかえってきた。
どうやらここは学校らしい。でも、今いるところは日が当たらないから俺的には嫌いじゃない。
溶けなくてすむから。
暑いと溶けるよね、人間って
「まぁ、ここの話ならゼウスに聞いたほうが早いね」
グルーガンさんがそう言ったとき、カツカツと音がして、豪華そうな服に身をつつんだおじさんが出てきていた
『…っしゃぁああああああああ!!〜〜……』
(あれ?今外から冷慈の声した?)
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