that is 脱兎!

「あ、トールさん」

「……どうした、ルア」


トールさんが目の前を通っていくときに声をかけてみる
相変わらずいい男だぜ!とか思いながら


「これさ、こんぐらいの金髪美少女が、俺見て「キャーッ」っつって逃げてそんときに落としたんだけどさ」

「……それは……多分……北欧神話のソールのことだろう」

「……?とりあえず神様なのな!把握した!」


それだけをとりあえず聞けたので俺は走り出す。
考えるより行動だ


「…………多分、逃げられると言い損ねたな」

(……俺よりも多少ではあるが……アイツの方が高いからな……)




「頼もーーっ!!」


バァァァンッと音を立て、隣のクラスのドアを開ける。視線がギョッと集まってくるが俺が探してるのは金髪美少女だ。
先に言う、俺はロリコンじゃねぇ。

どっちかっつうと年上が好きです。


「……いねぇ!!金髪美少女どこじゃあああ!!」


どうやら目的の子はいないようで、また飛び出す
探そう。


「どーーこだーー!!」

「うわっ……!?……なんだ?ルアの奴……あ、タナトスくーん」


入れ違いで美月が入ってきているが残念なことにアウトオブ眼中だ。
まったく持って残念だな


「んーいねぇなぁ」


屋上から見下ろすように探してみても目的のカワイコちゃんはいないようで。
くそ。コレ返すだけなんだけどなぁ。と困惑する。

馬鹿な俺には隣のクラスの誰かに預けるという選択肢は元々ないのだ。
非常に愉快。馬鹿だ。


「んー困った困った」


そう言っていてもラチがあくわけではないから、よいしょっと立ち上がる。


「はぁ……っ、はぁ……」

「冷慈さん……大丈夫か?」

「やーんれーじたん色っぽーい!」

「……っ、ざ、けんな……っ!!」


(嘘だろホモか?)


聞こえてきた声にビビりながらチラッと覗くと影になるような場所で筋トレを(多分)やらされてる感じの冷慈と戸塚のターたんと仮面のにーちゃんがいた


(……ヒヤッとしたぜ)


想像したようなことになってなくてよかった。と一息ついて、屋上を去る
さてと、あの金髪美少女探すか。

どこかなーどこかなーとあちこち見て回るがどうにも見つからない。
いや多分俺の探し方が悪い、んだろうけども。


(しゃーねぇなぁ一回戻るか)


見つからないのなら仕方がないと、足を教室へ戻す。



「おールアおかえりー」

「……ルーなの……」

「おうよー」


麗菜とヒュプノスが声をかけてくれる
あー、いつも通り、だな


(まぁ、あの子に逃げられてるのはなんとも言えんよな)

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