幸せにしか
「一人だけの、×××なんて××らしくないんじゃないのー」
「そうだそうだー!」
「×−−−−……っ」
「ほらー隠れてないで出ておいでよー、最後にいっぱい遊んでもらいなってー!」
「最後じゃねぇよ。俺は永久不滅のピーターパンだからな」
「おま、ちょ、やめろ腹筋が崩壊する!」
「笑うな!いーんだよ、死んだってまた、会いにくるからな。約束だぜ。幸せにしかしねーよ」
「−…………」
「クッサいーー!腹筋が……っ」
「オマエ!人が真剣に……っ!」
「……うわぁあああん!待ってる、待ってるから……ッ」
「……泣くなー俺が悪者に見えるだろ…」
「いや悪者だから」
「お い」
そんなことを言っていたのに、今、俺は生きている。
奇跡か。この回復力。
骨はスカスカだし、まだ免疫力なんざ戻らないし、飯を食っても砂でも食ってるみたいだけど。
それでも、生きている。
早く、戻ろう。あの場所に。
(戻って、とりあえず満田家からは逃げよう。殴られたらぜってー骨折れる)
約束したから、戻らないと、きっと泣いてそうだ。
毒牙にでもかかってなけりゃいいんだけども。
たとえば、麗菜とか。あれに捕まると面倒だ。
他人に敏感だからな。毒されるぞ。
やべー早く戻ろう。
「……」
一人で病院生活はもう飽きた。
飽きたから。
「……俺のがさみしーってわけな」
やっと帰れるらしい。もう離さない。
(愛してるぜ!たとえば世界を敵にまわしても!なんでもいいからそばにいてくれ。君が俺の生きる理由だから)
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