「違うよ!君じゃない!」 「……っ、ここ、どこだ……!?」 全く見たこともない世界、何故かいるメンバーは、命とイシスだけがいない。 ソールに、ネメシス、モリガン、タナトス、ヒュプノス、寿斗、樹乃。 どうしてその二人だけがいないのか、それに理由があるのか。 真っ暗で雲行きの怪しい森の中をさまよっていた。 おかしい。さっきまでは普通にいつもと同じように箱庭にいたはずだ。と 「あ、見てみてぇ〜あんなところにお屋敷があるよぉ」 「雲行きも怪しいからな……今日は話をつけて泊めてもらうのがいいだろう。……この状況を整理しなければならないからな」 「あぁ……。それにしても……」 いいところ、ではないようだな。とタナトスがため息をつく。 そんなタナトスに大丈夫かと半分眠りながらヒュプノスは問いかける。 樹乃は恐がりながらも歩いていく。 「こーんばんはー!だれかーいませんかー?」 ガンガンッ!と音を立てながら、ネメシスが洋館の戸を叩く ギィイイイッ……と軋む様な音を立てながら、開いた大きな戸のその向こうから顔を覗かせたそれを見て、全員が息を呑んだ 『いらっしゃいませ……招かれざるお客様方』 「……れ、れーじたん?どうしちゃったのさぁ?」 『……。確かに私の名前はレイジと言いますが……。どちら様で?』 そこに現れた執事のような立ち振る舞いのそれは、綺麗な金髪にグレーの瞳をもった、冷慈そっくりの顔の少年、ではなく、明らかに青年だった。 身長も冷慈よりも高く180前後はあるだろう。 「……君、誰なの?」 『レイジ=ディシアと、申します。お客様方、今夜は冷える。さぁ、お入りください。旦那様も奥様もお優しい方です。一晩、お泊りになられてください』 明らかに自分たちの知っている冷慈では、ないと認識をなんとかして、屋敷の中へといれらて、すぐ、また驚いた 『お客様ですか!?レイジさん!わぁ!おれ今すぐお茶をご用意しますね!』 『ミヅキ!メイドが俺などと……!』 『えー、めんどっちぃじゃん』 『次言ったら、旦那様に報告だな』 『わぁー!すみません〜!』 「……おい……」 『?私のお知り合いでしたっけ??』 今度は、明らかに見慣れた美月そのものがメイドの格好で、目を輝かせていた。 見慣れた顔よりもずっと、顔色が悪く見える。というよりも血の気のないような白い肌の色。 「……美月……こんなところで何をしている」 『何ってお仕事ですよー!レイジさん!旦那様へご報告お願いいたしますね!』 『あぁ』 そう言って、レイジと呼ばれた青年が華麗に翻せば、その先に、ゴシックな服に身を包んだ、どこか誰かに似ているような、集団が、いた。 『旦那様、本日は嵐の夜。そんな日に迷い人のお方が、いらしたようですが……』 『いいぜいいぜ!泊めてやんなー!』 『かしこまりました』 「ル、ルーちゃん!?」 ソールが驚くのも無理はなくそこには見慣れた金髪碧眼の男が堂々と座っている いつものようなリーゼントはしていないけれども、その声と顔ですぐにわかった その横にはまた、見慣れた顔がひとつ 「……レーちゃん、見つけたの……」 『あら、知り合いかしら?』 メイドと同じように血の気のない死人のような顔色の夫婦のような人物。 まぎれなく、麗菜とルアの2人だった そのすぐ傍にはワインを片手にワイワイと話をしている男性が二人。 綺麗なクリーム色の髪を奇抜に結っている者と、濃いめの金髪の、特徴のある、目元の男性。 それから、遅れてやってきた、片方だけを髪を編み込んでいる綺麗な青年。 『こら、ヒイラギ、グルーガン。お客様がいらしているのにだらしがない』 「「!?」」 まさかとはおもってはいたが本当にこうだったとは。とネメシスもモリガンですら驚きで目を見開いていた。 当の二人は、レイジの話も聞かずに話し込んでいるようで、ネメシスにもモリガンにも気づいてはいない。 『いい加減に、しろ!』 ゴッと殴ればやっと事態を把握したように、悪戯っ子のように笑ってごまかしていた。 『全く……。ソウミ様、お目覚めはいかがですか?』 『麗しいわけないでしょ……。外の風でうるさいし、その人形はうるさいし』 『申し訳ありません』 『執事なんだからちゃんとしなよね』 「!?あれが宋壬!?絶対違うぞ!?」 宋壬のような目元をした青年が、嫌味を言っているのを聞いて樹乃が声をあげた。 ソウミ、と呼ばれた彼は、ふと少女を見下ろして、ニコリと余所行きの笑顔で挨拶を交わす 『迷い込まれたと伺いました。どうぞ、こんな屋敷ですがゆっくりと』 (同じ名前なのに、違う、でも……本当に"別人"?) [ ] [次#] [戻] ×
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