扉あけーてー 「……っ、ここ……」 「怪しいな」 見るからに重そうで重要そうなドアの前、冷慈達は立ちとまっていた。 いい予感がしねぇよ。と呟きながら、その戸を開くべく冷慈が手をドアノブにかけたその瞬間、ガチャンッと音がし、そのドアはあろうことか冷慈を押しつぶすように開かれた 「あーっ!センセー!生きてt」 「いってぇええええええええええええ!!!!!!」 ネメシスがどうやらこじ開けたらしいその怪力で壁とドアで前方後方から叩きつけられた冷慈が絶叫をあげる。 なんとも不憫体質な少年だ。 「れーじたん!!……く、ふ、はは……だいじょーぶぅ?」 「いてぇ……めっちゃ、いてぇ……骨が砕けた音がした……」 「だいじょーぶだいじょーぶ!レイレイだから!」 「そうだそうだ!俺の弟だからっ☆」 柊が呆れたように、それを眺めグルーガンは退屈そうにひとつあくびをついていた。 宋壬は早々と樹乃の元へ向かいいつものように、ポケットをまさぐると、ゴシックな洋服のポケットに入っていた飴玉を見つけ、迷ってから、差し出さずに結局ポケットへ戻した 「くれるんじゃないのか!」 「……こんなわかんないところの飴玉、危ないから……」 そして話は、本題へと柊の一言で向かいだす。 【真実】に【終幕】をつけなければ終わらない、この【裏舞台】を終わらせるために。 「んで……この【終幕】の書かれた封筒はお前等に渡せばいいのか?」 「へ?何それー!知らないよー!?見せて見せてー!」 「待 て !」 本物の柊にやっとあえたからか、いつもよりテンションがあがっているのか、ネメシスが飛ぶようにしてその封筒をとろうとしてきたのを柊は、いつも冷慈や麗菜たちにするようにゲンコツを落としてやめさせる 「センセー!暴力はんたーい!」 「暴力じゃねぇ。しつけだ」 「暴力ですー!」 そんな二人を視界にもいれずに、呆れたように溜息を吐きながらグルーガンはモリガンへ問い掛ける 「ねぇ、交換しない?お互いの知ってることをさ」 「……。そうだな。この状況でなら、仕方が無い」 自分たちがいた【表舞台】と呼ばれた場所 そこにいた【彼等】 こっち側にいた【自分たち】と【その死体】 お互い情報を交換したがゆえに、逆に混乱が起きる。 柊やグルーガン、モリガンにネメシスですら首をかしげる 「……」 「あ、ルーちゃんッ!?」 「わり、ちょっと待ってて。【忘れもん】したからさ」 苦笑をしながらルアが一人、来た道を戻る。 あの【山のような棺】の部屋へ (気のせいじゃなけりゃ、あったはずなんだ。あの感触は、多分ー……) それは【棺の中】にひっくり返ってしまった時のあの違和感。 あの時は気にするほどのことではなかったけれど、思い出してみれば、おかしい感触 また重いドアをこじ開け、自分が入っていたはずの【棺】を開ける 「……っしゃ、ビンゴ……!」 思わずニヤリを冷や汗をかきながらも口角をあげる そこにまるで枕に代用されているかのように置かれていたのは、古そうな本 「……」 開いてページをパラパラと軽く読む 何故か最後のページだけがビリビリに破かれていた 馬鹿なヤンキーの直感か、ハッと思い出したらしいルアがポケットからクシャクシャになった一枚の【紙】を取り出す 「……ドンピシャ、じゃねぇかよ」 (この世界の【最先端技術】に踊らされてるのは【俺達】だ) [*前] [ ] [戻] ×
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