険悪なご対面

(ここか……Aクラス)


プレートを確認してドアを開ける。一瞬にして聞こえてざわつきが止まったかと思うと、次の瞬間俺が叫んでしまった


「あぁぁああああ!!!さっきの……!!」

「!!……あぁ、アンタね」


ナンパ野郎はさっきの俺の態度のせいか、冷めた目で俺を見ている
上等じゃボケェ。そっちがその気ならこっちも負けないんだぜアホウ
無駄にバチバチと睨み合いをしていると金髪の何やら元気そうなのが割って入ってきた


「珍しいね、ディディがそんなにムキになるなんて!ほんとに珍しいよ!」

「おわ……びっくりした」

「おぉっと、これは失礼。僕はアポロン・アガナ・ベレアだよ!以後お見知りおきを」

「え、あ、どうも。俺は満田麗菜です。冷慈の姉ですんで、よろしく」

「そっくりだね!本当にそっくりだよ!」


アポロンは楽しそうに俺に話しかけてくれる。なんというか、いい子である。多分
まぁ、弟と似ていると言われた点については、異論はない
というか姉弟なら似てないとおかしいだろ。うん


「ほーら!ディディもそんなに怒らないでよ!怒らないで!」

「先に喧嘩売ってきたのはお姉さんでしょ〜。俺じゃないよ」

「じょ、上等じゃゴルァ!やってや……んよ……」


ムッとすてくってかかろうとしたしたとき、哀詞と目があった
さぞめんどくさいものを見るような目でこっちをみていた
……気が変わった。こんな奴は放っておいて悪戯でもしてやろう。

そう思って、ゆっくり哀詞に近づけば事態を察したのか哀詞も一歩一歩と下がっていく


「ちょ、麗菜姉ちゃん……やめろよ?……な?落ちつけよ?」

「俺はいたって落ち着いている」


廻りがなんだなんだと言わんばかりにこっちを見ているがそれはそこまで気にならないので無視だガン無視

さぁ……やってやるぜ


「哀詞様ぁあああ!!!!!踏んでください!!!!!!」

「ぎゃああああああああああ!!!やめろぉおお!!!!!」


ビタっと哀詞の足に張り付いて馬鹿げたセリフを言えば哀詞がよほど嫌なのか半泣きで慌てふためいている
あーもう、最高だこのリアクションね
美味しいですね。ありがとうございました


「はー、楽しかったー」

「やってやったぞみてーな顔すんなよ……姉ちゃん。哀詞死んでるだろ」

「え?じゃあ生き返るためのチューでも……」

「生きてる」

「チッ」


(え、なんなのあの子、俺に対する態度と全然違う。こあい)

(あーご満悦した。うん実に楽しかった。あんなやつより全然いいね!)

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