あっついこの世界

「あっついんだけど……ねぇ、あっついんだけど」


絶賛南の国のようなギリシャ神話の世界で私は百虎に乗ってバテていた。
暑い。この場所暑いよ。


「ほらーこっちの服着ちゃおうよ、暑いでしょー?」

「嫌だ、そんな露出狂みたいな……ギリシャ神話ってさ、布一枚多くない?馬鹿なの?」

「またそんなひどいこと言って……」


チャイナドレスは確かに暑いけど、ここであんな布一枚みたいな服は私には着れる気がしないのだ
何せ、布一枚を巻きつけてるような。
大体ギリシャ神話の人って下着着てるの?
着てるイメージ皆無なんですけども


「……うがーっ!あっつい!!下着晒すほうが布一枚よりずっとマシだな!こらぁ!」


あまりの暑さにきていたものを次々に剥ぎ取ってもはや下着だけの姿になる。
こいつ一回見てるしいいだろう。


「え、何?誘われてる?」

「暑い、暑い、暑い」

「ねぇ、麗菜ちゃん、暑さも忘れるようなこと、シよっか?」


何かほざいている。チャラ・チャラ男が
一体全体どうしたら暑さも忘れるような行為をしましょうになるんだ
嫌だ、余計暑いじゃないかよそれ


「汗だくなるの嫌」

「うんうん、そっかー」

「ちょ、しれっと、手、突っ込む、な!!」


スッと這わされたその手に思わずキョドりながらジッと奴を睨みつける


「そんな顔されても、今は煽ってるだけだよ?わかんない?」

「睨んでる、んですけど、ねぇ……っ!?」


ゆっくり、重なった唇から舌を絡め取れてもう何がなんだか若干わからなくなりだす


「……、麗菜、かわいい。オレだけの、だよ?」

「ん、うっさ、い……」


与えられている快楽にただ感じたことない幸福を覚えて、奴の名を呼ぶ


「ディディ……ありが、とう……」


(いろんな意味でアツいこの世界も嫌いじゃないよ)



-fin.-

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