女神様的絶対論

「あー、早く一緒に帰りたいなぁー」

「え」

「え?」

「何言ってんの、私、中国神話の方に戻るんだぞ?」


ディディの発言によって、私は、奴と私の認識の違いを把握しました、なう。

どうやらこいつは私がギリシャ神話についていくとばかり思っていたらしい。
だがしかし、私は中国神話の方に行く予定でいたのにな可哀想な生き物である。


「え、でもさ」

「でもじゃないし……。神話違うし……。つうか、アレじゃね?南国っぽいイメージのギリシャ神話に百虎はあわないっしょ」

「……」

「神様どうしなんだからいつでも遊びにくらい行けるしいいじゃん」

「……それは、オレとしては、いただけない、かなぁ」

「は、い?」


よもや、いただけない、だと?
ご理解いただけてないのですか。オツムが弱いようでいらっしゃる。

全く持っておかしい話になるでしょ
ギリシャ神話に百虎ってどいうことだよよ


「オレは、一緒にいるもんだって思ってたんだよ?」

「それはディディの推測だろ……だから、にらまれましても」


完全に私が困った。私としてはこのまま中国神話に行くのがベスト、なのだが
目の前の男は納得いかないようでジト目で見てきやがる

どうしろというのですかマリア様よお助けくださいな


「……」

「……」

「……あー、もう!わかったよ!わかった!そこまでうるさいなら当日に掻っ攫ってくれるならついて行こうじゃんよ!」

「それぐらいで一緒に来てくれるなら、お安い御用だよ」


パッと思いついた提案はもう確定したらしく、このままだと強制でギリシャ行きの片道切符を購入することになりそうだ

でも、途端にまた嬉しそうになってる奴を見るとまぁ、それも悪くないのかと地味に思ったりもする


「ディディよ、心して聞くがいい」

「ん?」

「私は心のひーろーい、いい女である。よって君が浮気をしようと何も思わなければ何も咎めない。ありがたく思いな」

「え!?いや、しないからね!?」

「え?しないの?面白くない……」


ディオニュソスといえば、葡萄とお酒と女癖が悪いという話をどこかで聞いたような気がしてたのになぁ。残念。

その浮気現場目撃して浮気相手と仲良くなってディディの悪口大会をするという私の夢は叶わないらしい。
神様のくせに恋人の願い一つ叶えれないなんてなんて酷いやつだ


まぁ、2割は冗談だけども。



(さーて、もうすぐ卒業式だから、地味に期待しようかね。掻っ攫ってくれるらしいしね)





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