神紙god!

「あー……もうそろそろかぁ?一年も〜」


今日もまたビニールハウスにディディと来ている。葡萄ちゃん達も実に可愛らしくデカく育ってきているようだ。うむ、偉いぞ。
目指せ神食い葡萄


「……早いなぁ、もうそんなになる?」

「なるって私の腹時計が言っている」

「それ、ただ単にお腹すいたってことじゃないの?」

「そうとも言う〜」


ディディにワイン用ではない、食用の葡萄を貰って、腹が溜まるまで食べる
あぁ、これぞ果物って感じ
美味しいですね。さぁ皆さんも葡萄を一緒に食しましょう


「……ねぇ、麗菜ちゃん、あのさ」

「あ、ディディー、もいっこ頂戴」

「え、あぁ……うん」

「あ、なんか言った?」

「いや……なんでもないよ、はい、葡萄」


ありがたく受け取った葡萄をまた口に運ぶ。本日2房目です。
なんだよ?読者様も食べたいって?あげないよー


「早いねー時がたつのはー。あっという間におばあちゃんだよ私ー」

「じゃあオレはおじいちゃんかな〜」

「えーディディはずっとそのままでしょー。そんな気しかしない……あれ?なんでだろう、そう考えるとムカついてくる」

「ちょ!理不尽!」


へっへっへ〜とヘラヘラしながらもよくよく考えれば、あの不可思議な扉を見つけてもう1年近くになるのか、と少しセンチメンタルになる
なんだかんだこの生活は好きだったし楽しいからずっと続くものだと思っていた

楽しいときほど早く過ぎて、あっけないものだとはよく言うけど、これほどのもんか
途中色々あったものの、本当にあっと言う間に過ぎ去ってしまったから、自分でも困惑する


「……あー!やめたやめた!!ターッチ!はい!ディディの鬼!」

「え!?ちょ!?」

「ほれほれー!鬼ごっこっていう人間の遊びだぞー!」

「それズルいから!!」


追いかけてくるディディが途中、自分が出していた農具に引っかかってこけていた
あーダッサイ


(そういえば私はここを卒業したらどうすりゃいいのか聞いてなかった)


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