黙って愛されなよ神様

「ちょ、ちょ、見てよハデスさん!サンドイッチだよ!?」

「……あぁ……それぐらい見ればわかるが……」

「しかも全部ぶどうジャムだからね!?愛を感じるねよね〜嬉しいなぁ」


昼休み、教室の端のほうから、ディディの嬉しそうな声が耳に入ってきて思わずにらみつけた
騒ぐな。頼むからそんなバレる言い方をして騒がないでくれ。と

ありったけの怨念をこめて奴を睨みつける


「う"……なんか、今背筋がゾッと……」

「……それは、おそらく……」


ハデスのその声とほぼ同時にクラスメイト大半の視線が俺へと突き刺さった
ちょっと、やめなさいよ
なんだその「あぁお前が作ったのか、へぇ?」みたいな生易しい視線は


「……何」

「ネェ〜満田姉〜、あれ、作ったのってさァ〜?」

「さぁ、満田、吐こうか」

「ゲボォァ」

「「そっちじゃないし!!」」


意気投合したようにロキとみづが詰め寄ってきて、吐こうと言われたのでリバースするときの擬音を声に出してみた
ざまぁみろ。これでも吐いたことになるんだぜ


「はっはっはー!俺のが一歩先を歩いたようだなー!!別に俺は葡萄ジャムからつくったりしないんだぜー!」

「え!?ジャムも作ったの!?オレ、てっきり購買で……と思ってたわ〜……」

「はぁ!?この間ジャム作ろうって言ったべ!?俺!」

「初耳だよ!?」


「「やっぱり、作ったんだ」」

「え"」


いきなり驚いたように割って入ってきたディディのせいでもろバレしてしまった
そうですよ。作りましたけども、何か!?
問題でも、ありまして!?

いいでしょ!(仮)恋人なんだから!(仮)が一番重要です。


「あー、ソウダ〜!ニュソと満田姉ってさ〜ショウブしてたジャン!アレ、結局どうなったワケェ〜?」


結果など分かりきってるといったような表情でロキはニヤニヤと聞いてくる
殺す。三途の川を拝ませようじゃないか、待ってろ後3秒後にはお花畑だ

何も言わなければ、いいのにこの優男はまたいらん口を開くのだ


「あー、アレねぇ……オレがとっくの昔に負けてるよ〜」

「は?」

「麗菜ちゃんが一人でグラウンドで3回転して、ジャーン!とか言ってたとき」

「あああああああごめんなさいいいいい!!!」


(それ!黒歴史の一つに認定された!今認定されたから!!)

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