孤高の百虎

「……行ってくる」

「はぁ!?正気か!?アンタ!」


ターたんに罵倒を吐かれました。冷慈よちゃんと躾なされよ。
なんとか戻りだした意識を保って、あの森をまっすぐに見据える

俺が、行かなきゃ。誰も俺の代わりにはなれないんだから

そう思って、強く念じれば、また閃光が辺りを照らした。


「……。姉ちゃん……神化……したのか……?」

「うるさい。百虎、行こう」


百虎に跨って、また来た道を戻る。
そうだ、行かないといけないんだ、俺は"お姉ちゃん"だから
"しっかりしてる"から
"強い"んだから

(残念なヒーロー気取りかよ、俺)

自分でそんなことを思いながらも、それでもいいかもしれない。とも思う


「ね、お前が手伝ってくれるだけで十分だよ。百虎」


風を切って走る白い毛並みに身を預けて、ポツリと呟いた
百虎がいるかぎり、俺は一人ではない

(俺がうまくしてみせるから。優しい人たちを、大事な人を守るのが、俺の役目だから)


いつも誰かに頼られていた。そんな俺には適任でしょう?


まるで黒いフィルターを通したようなその風景を今はやけに冷静に眺めながら、相棒と一緒に風を切っていく


「待っててな。全部、俺が代わってあげるから」


私はゆっくりお休み。純粋で、イイ子ちゃんにこの世界は厳しすぎるから。




(さぁ、負け試合をしにいこうか)

宿命ルート

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