赤信号、皆で渡れば恐くない?
「……あの、あのさ!」
いきなり俺がフラつきながらも声を張り上げたことで、驚かれてしまったようだ
皆の視線が集中してくる。
「俺は、また、行くから、だから、誰でもいいから、手伝って、ほしい」
誰でもいい。と言いながら、見た先はやっぱり葡萄頭のあいつで
だって、それ以外に誰に頼めばいいかもわからない
この間の一件で、すっかり俺はディディにてなづけられたようだ。
「もー!ちょっとちょっとー!誰でもいいとか言いながらニュソに言ってるジャーン!オレたちもいんのにサー!ねー!あーちゃん?」
「あぁ。そうだなバカロキ」
「……姉ちゃん。そいうことは、はよ言えよな」
「冷慈さんが行くっつうんならおれも行くぜ!」
「……。俺も、いく」
「では、俺もいきます」
「僕も!僕も行くよ!」
「麗菜姉ちゃんのお願いなら、俺も行こうかな」
弟達とその相手が、一緒に来てくれる。と率先して言ってくれた。自分よりも2つも年下のはずの弟達が頼もしく見える。
お姉ちゃん、嬉しいぜ。泣きそう。かっこわらい。
「俺も行く。麗菜だけかっこつけさせねぇし」
「お前なー俺たちのこと忘れてんだろ?」
「……麗菜ちゃん、一緒に行こう?」
そして、俺の友人が3人とも、小突いてくる。あぁいい友達だなぁなんてシミジミと荒んだ心に塩を塗られる。
痛い痛い。小突くな。痛い。そんで、トールさんが何も言わないけど俺の頭を撫でてくれれる。やだイケメンがここにも一人。
「全く、保護者同伴だぞこういうもんは」
「柊に同意だ。俺も行こう。……更に不幸にならなければいいがな……」
「私も行くよ。お役に立てるといいけれど」
「こんなハチャメチャなメンバーだと心配だから俺も行くよ」
大人連中もそうやって言ってくれてる。あぁなんだ、こんなにも周りには俺よりも優しい暖かい人達がいたのか
俺が、求めなかったから、わからなかっただけで
「あの……私も連れて行ってください。なんの力もない人間だけど、麗菜さんを支えることぐらいは、きっと私にもできます。私だって、麗菜さんが、大事なんです」
結衣ちゃんの真剣な訴えに皆の真剣な顔が見えて、泣きそうになった
ごまかす様に、下を向いて、いつもの調子で、声をだして笑ってみる
「ふ、あっはっはっは……!ばっかじゃないの……も、あー!くっそ!」
とめどなく溢れ出てきた水滴を、止めることも出来ずに流す。
「ほら、麗菜ちゃん。だから言ったじゃん」
(もう少し、周りに頼ってもいいんだよ?って)
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