選択肢があるなら

「……っ」

「麗菜ちゃん!勝手にどこに行ってたんだよ!?」

「姉ちゃん、何してー……!」


青ざめた顔をして、百虎に乗って帰ってきた俺を見て、誰もが驚いていた
あの柊さんとグル兄ですら

それよりも、あの蔦は一体なんだったんだろう。そんなことを最悪の気分で考えていて、ふと気づく


(……黒いのが、少し、消えてる……?)


邪気と呼ばれたそれが、少なからず消えている。
薄くなったというのが正しいのかもしれない。


「麗菜、どこに行って、何をしてきたの?邪気が薄まったけど」


グル兄の問いかけと柊さんの視線に冷や汗をかいた。
何も、していない。これが事実だから。しいて言うなら、目の前であんなことがおこったせいで

どう言えばいいのか困惑してるとき、悲痛な叫び声がかすかにここまで、聞こえてきてしまった


「……!!」


ディディはあの子に何かあったということに気づいたようで、森のほうをバッと見ている
他のやつらも、どうも声がするほうを見ているといったそれだけの感じで、森を見ていた


「……今のと関係がありそうだね?」

「話してもらうぞ。馬鹿姪」


大人2人に凄まれ、つい、うなずいてしまった。
こんなときに俺のおじさん好きスキル発祥しないでくれよ

まぁ、うなずいてしまったし、ここまでくれば個人の問題と言っても許してくれなさそうなので、話すことにした
あの子の存在も、あの子は俺なことも、さっき目にした悲劇も


「……つまり、その麗菜の幼少期が、蔦に捕まった直後に邪気が薄れた、ってことじゃない?」


すべてを話し終えたとき、グル兄が名探偵よろしく、そんな冴えたことを言った。
それはそれは、当てはまってることだ。と自分でも思った


(つまり、俺でも、いいってことじゃない?だって、あの子は俺だもん)


そう思って、一歩だけ後ろへ下がる


(一人で、行くべきか)


(はたまたは、奴に一緒に来てもらうべきなのか)


(最善の方法を見つけるために出てきた選択肢はこの二つ)




→ ディオニュソスに手助けを頼む

→ 一人で行く


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