一日音楽室

「さぁ諸君!大事なのは選曲だ!」


そんなこんなで、結衣ちゃんを横に俺は教壇に立っているわけだが、問題が浮上している
そうだ、こいつら……神様なんじゃん!と
選曲もクソもねぇぞ


「神様連中はまぁおいておいて、だな……おい、君たち」


俺の言いたいことがわかったようで、元、人間というかここへ呼ばれたらしい人間(全員知り合い)が誰も俺と目を合わせない
畜生、こら、なんか言えよ


「誰でもいいから!なんか出せ!」

「リメレ!」

「却下!合唱じゃねぇ!」


何でもいいといった言葉に反応をしたルアがリメレ!なんて叫んだが、秒速で却下だ
大体、リメレはバンドでロック調が多いんだから、合唱なん出来るかい


「ぶー、いいじゃんリメレー」

「俺もリメレがいいー」

「ほら見ろ!」


みづと、冷慈、ルアが攻撃をしかけてくる
その横で彩詞と哀詞の双子はうなずいてる(めんどくさそうに)


「だーめーだ」


結衣ちゃんも困り顔をしてるわけで。これは真剣に考える必要が有りそうだ
どうやらここには俺に協力をしてくれる輩はいないらしいぜ神様。
あぁ、神様は目の前にいっぱいいたわ。チッ


「あーやめたやめた!!結衣ちゃん、ごめん後任せた」

「え!?麗菜さん!?」

「ちょっと頭冷やしてくるだけだよ。煮えたぎったんだよ、馬鹿どものせいで」


俺が出て行く後ろで、ルア達のあちゃーなんて声が聞えたけど、原因はまぎれもなくお前等だってこと分かってて言ってんのか
いやはや、ふざけてるぜ。俺ちゃん困っちゃう


「……はぁ、どうしようかね……」


一人音楽室へ来たのはいい。一人は楽だし
問題は曲が決まらない!ということだけで

(……なんかいいのあったかね)

音楽室の奥の扉を開ければ、室内楽で使うような楽器が山のようにおいてあって、その奥に楽譜が山積みにされていた
神様の学園にもあるもんなんだな、と思いながらそれをとって、音楽室の床へ広げる


「……さぁてと……探しますか」


どうやら楽譜自体は、人間のもののようで、知っている歌のものが多い
ただし、合奏用、合唱用が混合している
この中からまずは合奏、合唱で分けなければいけないわけで


(何時に帰れるか謎だなこりゃ)


そう思いながら一枚ずつ確認をして、分けていく
途中、好きな曲を見つけては手を止めて片手だけ、ピアノで弾いてみたりしてしまって気づいたときには下校時間で、残念なことに施錠までされてしまっていた

あぁ、やばいな。閉じ込められちゃったわ


「……まぁ、いいや……。電気つくし……」


楽譜とにらめっこをしながら、作業を終わらせていく
やっと合唱用と合奏用をわけおわって、合奏用のぶんを元の棚へと戻しに行く

今からは合唱用だった楽譜の中からまともなものを選ばないといけないわけだ

ひとつひとつ目を通すけど、知っているものが少ない。
合奏用には結構あったのにな


「あ、これ……」


たまたま見つけたのは、某映画の中で賛美歌として歌われた有名な曲
これは確かに中盤からいいノリというか明るい感じで、いいかもしれない


「……しっかし、誰かピアノなんて……」


俺もせいぜい片手しか弾けないのだ
まず問題はそこだった。すっかり忘れてた


「……うーん、でも、この歌なら……アカペラでも全然イケるんじゃ……」


(ひとまず、やってみればいいかもしれない。今日はもうここで寝ちゃおう)

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