内心崩壊性理論
「はぁ……部活かぁ決まんねーべー」
「……あとは麗菜さんだけですね……」
いつまでたっても、俺だけが部活動が決まらずに、ボケっとしている
みづはなんか文章かくやつ……月人と同じところ
兄さんは、帰宅部。帰ってすぐに寝たいだけのようだ
ルアはトールさんがいるからとか言いながら帰宅部
「……帰宅部はなぁ……」
「この間気になっていた園芸部はどうですか?」
「……、いやぁ……いいかなーとは思うんだけどね」
そこまで興味があるわけでもない。
チラッと部活動一覧の書かれた紙を見るけど、そこまでしたいと熱する文字も見当たらない
「……ないなぁ。したいのもわかんないけど。あぁ、ごめんね、結衣ちゃんも部活行っといでよ。俺、ここで考えてるわ。ほらターたんと冷慈とやってんでしょー。行ってらっしゃいな」
「え、でも……」
「いいからいいから。一人でも決めれるよ。もうそういう年だしね」
ポスポスと癖で結衣ちゃんの頭に手を置いた
「……」
「?どうした?」
「あ、いえ……お姉ちゃんがいたらこんな感じなのかな、って思って……兄ならいるんですけど……」
若干恥ずかしそうにそう言う姿に思わず表情だけが緩まる
内心で、酷くえげつないことを思いながら
(で、結局何を求めてるんだろうね俺に)
姉になること?頼らせてほしいの?甘えたいの?
そしていつものように自然体で口を開いた
「お姉ちゃんにでもなったげよっか?」
「い、いいんですか?」
「好きにしていいよ。お姉ちゃんとでも、姉ちゃんでも今まで通りでも、好きに呼んでくれれば」
あくまでも、相手が望む自分をしてあげる
それが善人のすることだと知っているから
だから、その代わりに、俺の思い通りに動かしている
どう言えばどう動くかなんて、案外わかるものだから
「え、あ、じゃあ……やっぱり、今まで通りで……大丈夫です」
「そ。んまぁ、なんかあったら話ぐらい聞いたげるよー。これでも色々あった方だと自負してるしね。まぁ、まずは俺の部活かな」
「……そう、ですね」
ため息をつきながらまた教室から出る。ひとまず、リメレのことに関してだけは完全に素で喜んだり怒ったり笑ったりできるので楽しい。
「……あ、音楽室なんて、あんだ」
ふと気づいたのは、ピアノのおいてある綺麗な教室
恐らく音楽室なんだろう。
「……。ピアノとか弾けねぇーわ。もったいないコレ絶対お高い」
そう呟いて、その場に座り込んだ
(私は、まだ壊れていない)
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