意味不明発言動

「よーし!あとは購買さんにかけるだけだね!取り寄せてくれなかったらマジ覚えてろよ、目の前で死んでやる」

「恐い恐いよ、麗菜ちゃん」

「え、そんなこと、ないだろ?」


実際問題そんなに恐いことは言ってないし冗談だし、いいじゃないか
ふんふふんと上機嫌で廊下を歩く他の生徒を避けながら歩いていけばどうやらやら、道に迷ってしまったようだ


「……てへぺろ。さぁ!葡萄頭くんよ!」

「ディオニュソスっていう名前もあるんだけどなぁ〜」

「うん、そうか。では、私を教室まで連れて行ってっ」


語尾にわざとらしくハートのつくような言い方で言えば、やっぱり……と若干呆れた声で言われてしまった
なんだね、人間だもの迷うこともあるのよ


「なんかさなんかさアレみたいじゃね!?」

「アレ?」

「リ・ア・充」

「リアじゅう?なにそれ?」


どうやら神様にリア充という素敵な言葉は通じないようだ。もったいない
こんなまぁイケメンなんではなかろうかという奴の横を歩いてこんなに俺が(リメレのことで)浮かれてたら客観視したらリア充じゃないですか


「リア充ひゃっはーい!」

「うお!?」


葡萄頭の背後からタックルをかます。
ゴスっといい音がした、ご満悦です


「っー!!石頭!?」

「はははー!冷慈も柊さんもだから諦めなよー」

「諦めるとかいう話だっけ!?」

「ふははは!」


かなりくだらない話をしながら葡萄頭についていけば、いつの間にやら教室の前へときていた
あらま、びっくり


「たっだいまー!」

「誰もいないけどね」

「……ただいま?」

「え?俺に言ってる?」

「ただいま?」

「俺、ずっと一緒にいたでしょ」

「ただいま?」

「……おかえり?」

「うえーい!」


機嫌がいいといつも周りを困らせる勢いで変人が全開になってしまうので非常に照れる
変人!とか言われたらもうそれは褒め言葉なので照れる。
誰ですかね、今、「アンタ頭大丈夫?」って言ったのは

大丈夫ですけど、何か?


「麗菜ちゃんってさ、頭のネジ足りてる?」

「あぁ、元々設計図から一本足りてないよ!」

「あぁなるほどねぇ」


色々と欠けているのは知ってる。自分は周りとは違って、常識から外れているということも
でも、世の中のよく言う常識のほうが俺からしたらおかしいことだと思っている


「あー歩き疲れた……なんで皆いないのさ」

「部活でしょ〜この時間だと」

「あぁ……なんかそんな話してたなぁ……」


ナンパ部はないと断わられてしまったんだった、そういえば
どうしようか。今のところ本当にしたいものも特にない
というか趣味が多すぎてひとつに絞れないのが原因なんだけども


「食っちゃ寝部とかないかな」

「ソレ知ってるよ〜、人間て食べてすぐ寝ると牛になるんだよね〜?」

「そうそう。痩せるのめんどいけど」


(このままじゃいつまでたっても決まらないぜ俺さんよ)

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