Not校則!
「そ、それであの、今は皆さんに部活動をしていただいていて……皆さんも何か……」
「ナンパ部ってある?」
「え、あ、そ、それはちょっと……」
結衣ちゃんが俺達に部活動を何かしらして欲しいとお願いしにきた。
もちろん、可愛いお嬢さんの頼みなら快くOK牧場と言いたいところだ
だが早くも、ナンパ部という俺達4人の希望は打ち砕かれてしまったようだ
「ぶー。ないのかよう」
「ぶー」
「おれ、寝れたらどこでもいい」
「女子がわんさかいる部活どこじゃああ!!」
ぶーぶー言っているのは俺と美月。寝る前提なのが兄さん。最後は年中思春期ルアくんである
いやはや、可愛い女の子でハーレムをだな……なんてくだらないことは頭の片隅に追いやって、結衣ちゃんにもらった部活動紹介の紙をまじまじと見る
意外と色々あんのね
「ねー結衣ちゃん」
「はい、麗菜さん。何かありましたか?」
「これさ、園芸部ってどんなことしてる?」
「あ、それならー……」
ぱっと見た時に園芸部の文字がたまたま目に入ったから、結衣ちゃんに聞こうとすれば結衣ちゃんは誰かを探すように辺りをキョロキョロとしている
なんだろう、女の子可愛いよね
「ディオニュソスさんがしているんですけど……また保健室かなぁ」
「あー……そっか。まぁいいやどこでも」
見学しよーっと席をたって、外を見て回ることにする
正直に言えば、どこもあまり興味が沸かない
というより、したいことがないといったほうが正しいんだと思う
「さーどこから回ろうかねぇ……」
綺麗な外を歩きながら辺りを見て回る。なんだかどこも楽しそうにしてんなー
まぁどこだっていいですけども
そして、ふと気付く。今日は何日だっただろうか。と
俺としたことがうっかりしていた。もうすぐ大好きな大好きな命よりも大事な歌手の新曲CDの発売だったではないか
「あああああああ!!こんなところで呑気に遊んでる場合じゃねぇえええ!!!!」
何が学園生活だ、いや、心惹かれるけど!!
だがしかし、俺が唯一ストレスを発散させれるものが此処には何もない
そんなの、そんなの……
「地獄じゃあああ!!!ルアー!!みづー!双子ぉおお!冷慈ぃい!!」
お仲間の名前を叫びながらその5人を探しに走り出す
まぁ原因は俺だけど、そのアーティストのファンになるよう仕向けたら5人があっさりハマったのだ
これは恐らく、忘れているであろうお仲間に通達せねば!と必死に走った
「お前等ぁあああああ!!!!」
バタンっとうるさいほどの音をたててドアを蹴りあける
もちろん、教室にいる奴等の視線が突き刺さる
といってもほぼ部活にいっているようでいるのは帰宅部だとかほざいてた赤髪のロキとかいう奴と、トールとかいうのと、いつのまにか帰ってきていた葡萄色の頭
「!?ちょっと、何ィ〜?驚かさないんで欲しいんだけどォ〜」
「うっせぇ!それどころじゃない!ルアとみづと冷慈と双子どこ!?」
「え〜、教えてほしい〜?」
髪をクルクルとさせ赤髪がもったいぶっている
腹が立つ、こっちは大至急だぞ、えぇ?
「黙れや!吐け!ハゲにすっぞ!」
「も、もォちょっと、なんなの〜?」
「頼むから!教えてくれって!命かかってんだぞ!早くここ出ないと俺死んじゃうあああ!!」
「え!?いやいや!!何!?」
多分、その必死な形相は、世にも恐ろしいもんだったろう
すまん。ロキとトールと葡萄頭
一応内心で謝っておいた
「落ち着きなよ、麗菜ちゃん、どうしたの?」
「リメレ!リメレが俺を呼んでいる!時間ないんじゃ!」
"Remember Route"通称"リメレ"
それはまるでルアのようなガチヤンキーの歌手である。皆個性に溢れたリーゼントだ。
もちろんリーゼントではない人もいますがな。
その人はその人でカッコヨサというものが溢れている大人な人だ
見た目チャラい系お兄さんだというのに!!
「「「……りめ、れ?」」」
「知らないのか!?はぁ!もったいない!い、いやそんなこと言ってる場合じゃない!どこ!?」
「え、あ……講堂……」
「ありがとう!葡萄くん!愛してるぜ!」
必要事項をやっとこさ聞き出して、俺はまた教室から全力で講堂まで走った
(うえーいうえーい!帰ってリメレに浸るんだぜー!)
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