Prologue

ここは何処だろうか。俺の見たこともなければ知りもしない平和ボケしたこの世界に俺はなんでいるのか、不思議でたまらなかった


(でも、こういうのも悪くは、ないのか)


故郷にいるであろう仲間達にも見せたかったこの広大な美しい景色を、いつまでも目に焼き付けていたい。そう願った。

どうやらきてしまったのは俺一人のようだし、少し休もう。

ここへ来る前、己の世界で作られてしまった傷が綺麗に開いていて、流血している


(こんな平和ボケした世界じゃ、このままいれば恐がられそうだ)


早くどうにか止血をしなければ。
誰かに出会ってしまう前に。
きっと、俺は招かれざる客というやつだろう。
それはなんとなく、本来の職業柄なのか本能で察した。

(あぁ駄目だな……まじ眠ぃ)


まだ止血もしていない状態だというのに襲ってくる眠気に逆らえる気配もせず、ゆっくりと目を閉じる

出血多量で死ぬかもしんねぇなぁ。と思いながら、心の中で、友人たちに謝っておいた








「……!!だ、大丈夫ですか!?」

「おい、草薙。揺らすな。……随分と抉られた傷だな……」



「シュリア……ねぇ、私たち、ずっと一緒でしょ……私ね、私……−−がーーーーの。だから、シュリアの××をちょうだい?」

「……−−−がほしいなら」

「ありがとう、うれしい。大好き。私なしじゃ生きれない身体にしてあげるから」

「……あぁ。なんでも、やる。それで気が済むなら」

「そう……。それじゃあ、ねぇ。シュリア。私、あの人がとっても邪魔なの」

「……わかった」

 ・・・・・
「ありがとう。シュリア」



そう、それが俺の生きている理由のすべて。

あの日まではー……



「っざけんなよ!!コイツはお前の道具じゃねぇ!!」


親友の声ととも泡になり消えた

(俺の生きる理由。今はただ、生きる理由を探すことしかできない)


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