雷神と神罰



「ん……ここ、って、保健室……でもなんで左右逆?」


目を覚ましたネメシスはあたりを見渡して率直に疑問を述べた。
自分は保健室で確かに寝ていたが、目が覚めたら、まさか何もかもが左右反転していようとは誰も思うはずもない


「知らん。俺がきたときから左右は反転してたぞ」

「!?え、誰!?いい声!」

「……どっちが聞きたい。人間時の名前か神としての名か」

「あ、じゃあどっちともー!呼びやすいほうで呼びたいからね!」

「満田柊。日本神話の雷神だ」

「おぉ!で、雷神さんはここの人?」


どうやら、自分のいた世界とは似て非なる場所だということを把握したネメシスはいつもどおり、ヘラヘラと笑って、雷神に説明を求めた


「違うな。俺のいた場所とは似てるけど空気が違うからな。どうせ、お前もそうなんだろ」

「あったりー!え、何々、じゃあなんていうんだっけ、こーいうのさ」

「パラレルワールド、ってところか。……厄介だな。いい気がしねぇ」

「えーなんでー!楽しそうじゃん!」


その柊の予感が的中するとは、このときはまだ、誰も知りもしなかった


(ところで、雷神さんはなんでそこに座ってんの?センセー?)

(俺は、保健室のセンセーだ。お前も教師だろ。見た感じだと)

(せーかい!)



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