悪戯会議

「〜で、これをこーして……」

「ふむふむ……で、これはどうなるんだ?」

「あ、コレはねぇーこうしてーっと……」

「おぉ!すごい!凄いなロキ!」

「デショー?」


なにやら楽しそうに話しているロキとイシスを後ろから見ながら、哀詞は気だるげに歩いている
いつも通り無愛想にただ眺めては複雑そうな表情を浮かべて、溜息をついた


(流石に、あん時とは違うし……な)


昔の悲しく、えげつない映像が、脳裏をよぎり哀詞を不安にさせる


「……ーー……」

「あーちゃん?なんか言った?」

「哀詞、大丈夫か?」

「……あ、悪い、大丈夫。さっさ帰るぞお前等」


明らかに顔色はよくないように見えるが、これ以上触れてくるなという雰囲気に思わずロキもイシスも黙ってしまう


「……いや……もう、大丈夫。だもんな」


ここは自分の過去がある場所ではないのだから、と自分に言い聞かせ哀詞はこれ以上心配を与えないように、とできるだけいつもと同じように笑った


「ボケッとしてんなー置いてくからな」

「……あ、あ!待て!」

「ちょ、ちょっと〜!あーちゃんズルいデショ!!」


(ここにこれ以上居ると、俺の強がりが崩れ去りそうだ)

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