暗闇と鞭と雷と

「……。よぉ、ハデっちゃん」

「え!?普通に話しかけちゃうの!?じゃあ私も〜!ハデスハデスハデスー!」

「……」

「あれー、やっぱり無反応だった?」

「……めんどくせぇなぁ」


ハデスのいる場所から徐々に広がっている闇に抗うように柊は神化をしあたりを雷で照らす
轟音とともにあちらこちらに落ちているのに、木が発火することはない


「……そっちがその気なら、しかたねぇよな」

「センセー!待って待ってー!私も!」


柊が雷を掌でバチバチと鳴らしだせば、目を輝かせたネメシスが神化をして柊の元へと上がっていく


「!!……。」


飛んでくるネメシスの姿を見た柊は途端に遊ばせていた雷を消失させた
その表情はどこを見ているのかわからない、後悔に溺れた表情そのものだった


「センセー?ハデス暴れちゃうよ?」

「あ、あぁ……。お前は、いきなりこっちに来るな無鉄砲が」

「えー!ちゃーんと考えてるよ!これでも!」


そんなことを話している間にも広がっている闇に何食わぬ顔で、ネメシスは鞭を放った
それは綺麗にハデスの腕を絡めとり動きを封じていた


「おぉ、流石だな。……ま、殺しはしねぇよ」


そして柊はまた掌で青白く光る雷を遊ばせ出す


(これでもくらって、落ち着けよ馬鹿ハデっちゃん)

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