太陽光と隕石にご注意を

「このままじゃ、拉致が、あかな……っ」


彩詞が息をきらしながらも辺りを熱く照らし出す中へ突っ込んでいこうとするも、星の神とだけあって、日には弱いのか中々先へと進めずに気づけば火傷ばかりを作っていた


「おい!!もう、もうやめー……!!」

「やめたら!出れなくなるって言ってるじゃないですか!!俺はごめんですね!!」


どうすればアポロンが自分の声に耳を傾けるのか、必死に思考をめぐらせるも、何もいい案など浮かんではこない



「……いい、加減にしてくださいっ!」


隕石のように青白く燃える石をアポロンめがて放つもそれは熱すぎる熱気に溶かされて消えた



「……っ、駄目……?どうしたら……」


何度しても意味のないその行為に疲労を覚え、一度命のところまで戻る
そこでは、不安を目に移しながらもアポロンを心配している命がいた


(……あぁ、これが俺たちとの違いなのかな)


その様子を見て、彩詞はひとつ、決断をする



「ねぇ、命くん、お願いがあるんだ。……俺と一緒に、アポロンさんのところに行こう?」

「え!?」


優しく笑うその顔に戸惑いを隠しきれていない命を半ば無理やり引っつかみ、またアポロンの元へと浮上する

命がかなり叫んでいるのも今の彩詞の耳には入っていないようだ


(少し、少しで良いんだ。アポロンさんが少しでも我に返れば……)


「っ、アポロン!!!!」


急に命がアポロンの名を叫んだことで、彩詞はハッとしてそのほうを視る
そこには、アポロンが苦しそうに立っていた


「アポロンさん!!」

「……ミ、ミコミコ……?」


どうしてこの世界のアポロンが命の名前を呼んだのかは、わからない
それでも、この一瞬を逃してはいけない。そう思った


「3分、3分だけ、恐怖に耐えてください。命くん」

「は!?ちょ、ちょ!?」

「大丈夫。落ちたりはしませんから。ね?」


それだけ言うといきなり宙で命との手を外した


「ぎゃああああああああ!!!!!!!おちっ……ない!?」

「3分後には落ちますけどね」

「やめろおおお!!!!!」

「大丈夫ですよ。アポロンさんがきっと助けてくれます」


そして、迷いも無く彩詞はアポロンの元へと突っ込んだ
焦げ付く己など興味もない。と言わんばかりに進んでいた


「アポロンさん、迎えに来ましたよ?……早く、通常運転に戻りやがれですっ」


語尾に☆がつきそうないつものうさんくさい笑顔でアポロンを蹴り飛ばしていた



(落ちていくときにアポロンが我に返ったのを彩詞は見ていた)





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