知られていない存在
学園長室へ、全員がたどりついたとき、あの見慣れた重そうな扉が一人でにゆっくりと開いた
それだけでも、元人間、人間には中々刺激的だったようで表情は真剣そのものだった
一方で、元より神という存在は、平然と中へ一歩を踏み出す
「ちょ、おい!グル兄!?柊さん!!」
「ビビってんだ?見た目の割りに弱いんだねぇ〜」
「仮面とってから俺に文句言えよ吹っ飛ばすぞ!」
騒がしいのは風神である満田冷慈のみで、他は混乱からか、その場から動こうともしなかった
「何をしておる。入れ人間ども」
聞えたその声も、全員にとっては聞きなれた声そのものだった
自分たちを箱庭へと呼んだ張本人なのだから
その横には、これまた見慣れた少女の姿があった
「「草薙!!」」
一番にその存在に気づき名を呼んだのはイシスと哀詞だった
少女は、名を呼ばれ、驚いたように首を傾げていた
「えっと……どうして、私の名前を……」
「私だ!イシスだ!覚えてないのか!?」
「おい!どうなってんだよゼウスのじじぃ」
人間勢が焦ったようにしている様子を焦りも驚きもせずに、見つめているのは柊とグルーガン
そう、ここは左右反転した世界。
恐らく、自分たちがいない、世界
(どの世界がイレギュラーなのか、この世界で何が起きているのか、重要なのはそこだろ?)
そうして、彼等は真実を知ることになる
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