お昼を詰め込む
「うぃーっす。はよー」
「あ、おはようございます冷慈さん」
「おう、尊もおはよう」
「お、おう!?」
「……おい、いつまでその状態でいるつもりだよ」
次の日、無事に登校をすればまだぎこちない尊といつも通り、いやいつもより若干嬉しそうな草薙が教室にいた
早いご登校で。全く素晴らしい優等生である
ちなみに俺は中間あたりでございます。朝は苦手な冷慈くんだぞ
「あの!あの、おふたりとも今日昼休みお時間ありますか?」
「おぉ、何を今更いっつも一緒じゃねーかよ」
「おう、いいぜ」
吹けもしない口笛を吹きながら上機嫌で窓を開ければ春風がさぁっと入ってくる
うん、いい風だな。今日も。そう思いながら靡く襟足を片手で押さえる
「……早く昼休みなんねーかな」
「まだ始まったばっかりですよ?」
「外の風に当たりたくてさ」
「流石風神だな!冷慈さん!」
残り少ない学園生活だけど、草薙とは会えなくなるのかもしんねぇけど、最後は笑って別れたいしな。楽しまにゃ損だな。そう思いながら絶え間なく吹いている春風を感じながら居眠りを決行することにした
「……さん、冷慈さん!」
「!?な、なんだ!?」
何時間経っただろう、尊のデカイ声で耳元で叫ばれてとびおきた
あれ、そういえば、合宿んときもこんなんだったな
「ひーるーやーすーみ!!草薙と話すんだろ!」
「え、あ!やべ、寝てた……」
「いえ、大丈夫ですよ。……えっと、それじゃ、屋上に……」
3人で屋上にむかう。
俺の片手にはしっかりと弁当がある。腹が減った。戦が出来ない。飯を食う
「ふぉふぇれ、はなひっへなんらよ」
「冷慈さん、食いながら喋んなよ……」
「あ、あの……実は」
草薙が言うのを多少迷っている。なんだ、そんな真剣な内容なのか
(もったいぶんねぇで言えばいいのに。そういう問題でもないか)
[ 70/82 ][*prev] [next#]