帰宅して学生寮

「げぇー…疲れた」


フラフラと誰もいるはずもない寮の部屋へ戻ってくるとどこからいるはずのない声が聞こえた


「おう!やっとおかえりか!」


「!?な、なんだ…?空耳…か?」

「こっちだ!こっち!」

「あ?」


声がする下のほうを見てみればそこには威張っているずた袋がいた


「……」

「おめーさんが冷慈だろ?俺はさっきまでくたなぎのとこにいてな、おめーさんのためにわざわざ来てやったんだからな!」

「え、あ、そうかよ」

「もうちょっといい反応しろよ!」

「いや、ずた袋にどう反応をしろと…」


目の前にいるのは確実にずた袋の人形で、それが動いてるだけにすぎない
なんだかもう、驚きはしない
こっちに来てから散々驚いたせいだろうか


「それはともかくだな、冷慈。おめーさんの言ってた、不具合は治してやったぜ!」

「あ、まじでか。サンキューな。ずた袋」

「おい!!おれはずた袋じゃねぇ!!メリッサだ!!」

「へいへい。メリッサな。どうもどうも」


足元をちょろつくそいつをわざと踏もうとしてやれば慌てて出てきて文句を言っている
実に可愛い。俺、こういうの好きだわ


「あー…疲れた…」

「おいおい!ちょっと待て!」

「…おう」

「俺をくたなぎのところに連れて行ってくれねぇか!あっちに家があんだよ」

「…しゃーねぇな」

(くたなぎって…草薙でいいんだよな)


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