これが少数派の入学式

それから掃除に割りと時間がかかったりだの、俺が何故か仕切って、色々準備を4人でしてしまって、すべてが終わったころには空はもう赤くなっていた


「げ、もうこんな時間か…」


でも、これで準備は全部整ったんだろう。あの傲慢そうなトトとかいう神様がこっちに入ってきた


「只今より、入学式を行う」


司会に任命されたんだろう傲慢そうな神様にフッと鼻で笑いつつ、席に着いている

とはいっても、草薙曰く、11も教室に机があっても、実際、生徒は俺と草薙を入れて10なのだと言われてしまい、慌てて、前5、後ろ5に椅子を並べ代えたりもしたけど


それでもそのうち、前列に4人と後列に俺が1人しか座っていないのが現状なのだが
あと、5人来てないってことになる。恐らく、1人はあのさっきすれ違った俺に似てる様な似てない奴だろうと想像はつく


こんなに少ない人数で騒がしくない入学式なんて初めてだ


「新入生、氏名読み上げ」


え、新入生も氏名読み上げをすんのか。と思ってふと気づいた

そういや、さっき、名字がないって言ってたけどこのことだったのか
名字のお披露目も兼ねているってことな


「アイドネウス……ハデス・アイドネウス」


ハデス、そういえばそんな名前の神様も聞いたことがある
あれは確か、俺の叔父さんが妙に詳しく知ってた気もする
ギリシャ神話の冥府の神


「アガナ・ベレア……アポロン・アガナ・ベレア」

「はーい!」


アポロン…それは確か、太陽神か何かだったはず。
俺のこの辺の知識は全部、叔父さんとその相棒の人からの受け売りだけど


「草薙結衣」

「はい」


俺と同じ、人間の女子。ひとつ分かったことは、俺はこの子は嫌いではないということ。
善しか知らないような人間だというのが目にして分かるからかもしれない


「テュルソス……ディオニュソス・テュルソス」


またギリシャ神話か。デュオニュソスは葡萄酒と演技の神で有名だ
名前だけなら聞いたことのある神様


「戸塚……戸塚尊」


これは日本人の名前って事は恐らく日本神話の神様なんだろうが、名前から、どの神様かはイマイチわからない


「戸塚……戸塚月人」

「……はい」


ツクヨミが返事をした。ツクヨミは日本神話における月の神様。
それにしても、さっきの奴と名字が一緒なのか。家族か?
…そんな神様いたっけと、ありったけの思考を巻き戻してみても元々興味のない、むしろ嫌悪を抱いている分野だからか、さっぱりわからない


「フリングホルニ……バルドル・フリングホルニ」

「はい!」


バルドルは確か北欧神話の光の神とか言ってた気がする
まぁ、容姿からしても、それはよくわかるんだけど


「満田……満田冷慈」

「…へーい」


そして俺。まぁいつも名字のおかげで後ろ側にいるのはラッキーだな
それと何故か日本神話の風神候補にさせられた謎


「メギンギヨルズ……トール・メギンギヨルズ」


これも北欧の神だったはずだ。北欧の雷神、農耕の神でもある



「レーヴァテイン……ロキ・レーヴァテイン」


ロキ、これは北欧神話の炎の神
厄介なトリックスターだとか聞く


「……以上、10名の読み上げを終わる。次、学園長式辞」




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