novel | ナノ

ちょっと早いけどきみに一番に言いたかったんだ
※遠恋してるきどふど



まだ明けてないけどおめでとー。
急に不動からこんな一行だけのメールが送られてきた。
まだ明けてないのにメールを送るのはどうかと思う、と返した。
すぐに、かてーこと言うなって、年明ける前後はメール届かなくなるだろ、というメールが届いた。
確かにそれは一理ある。
別に直接話したり見ているわけじゃないが俺は一人でうんうんとうなづいた。
しかし、メールで済ませようとは仮にも恋人の俺には少々適当すぎるのではないだろうか。
俺は年賀状だってちゃんと一日に届くように投函したんだからな。

『おっお前なー!だからって電話してくんなよな。まったく鬼道くんは…』
「何でだ」
『…察しろ』
「相変わらず照れ屋だな」
『うっせーよ!』


声を荒げるのも、単なる照れ隠しだろう。電話越しの恋人がこんなにも愛おしく感じられる。


『あとよー…』
「なんだ?」
『…やっぱ言わね』
「何だ、気になるだろ」
『……年賀状、俺も出したから』


急に声が小さくなったが、その呟きはちゃんと俺の耳まで届いた。
電話の向こうの不動は恥ずかしそうに、舌打ちをして悪態をついた。
不動は可愛すぎる。今すぐに抱きしめに行きたいところだがそうもいかない。
ありがとう不動。楽しみにしてるからな。


『鬼道』
「どうしたんだ、急に」


いきなりいつものふざけた呼び方でなくなったから、どきりとしてしまう。


『…すき』
「っ!」
『電話、うれしかったし、声も、聞けてよかった』
「…そんな可愛いこと言わないでくれ」


消え入りそうな声で不動はごめんと付け加えた。
謝らなくてもいいと言ったら、だって鬼道ちゃん照れちゃったから謝ったんだ、と笑われた。
しかしやられっぱなしは悔しいわけである。


「…愛してる、不動」
『っ、ばかやろ!』
「仕返しだ」
『ばか、ばーか!』


何度も馬鹿と連呼されて、まったく失礼な奴だと思う。
その場にいれば口を塞いでやるのだが。ああ勿体ない。


「不動可愛い」
『もう黙れ…』
「近いうちに会いに行くからな」
『期待しないで待ってるよ』


それじゃあ、よいお年を。
おう。











グダグタ!
2012年も拙宅をよろしくお願いします(^O^)