novel | ナノ

□ばかはお互い様、だろ?□



※年齢操作
同棲してる。多分。






ぱっと目が覚めた。枕元の時計は10時ぐらいを示している。
鬼道は隣に眠る不動を優しく揺さぶった。

「起きろ、不動、もう10時だ」

んー、と唸って不動は寝返りをうつ。
昔から、不動は寝起きが悪い。
それでも何度も揺り動かせば、不動はうっすらと目を開いた。
トロンとした緑色。

「う…おはよー」

かわいげのない、擦れた声。
それを不覚にもかわいいと思ってしまった鬼道は苦笑した。
不動は起き上がろうとしたが、途中で顔を顰めて、またパタリと元のように横たわってしまった。

「腰……イッテェ…」

うう、と呻いて、不動は鬼道を睨み付けた。
それに鬼道は、しかめっ面を作って返した。
ぼそぼそとばつが悪そうにすまんと言う。
不動はそれに苦笑して、まあ久しぶりだからな、と言った。

「あ、それ、俺の」

不動は枕元の赤い煙草の箱を手に取った。一本取り出して口に咥える。
一緒に置いてあったライターを使って火を付ける。

「珍しいな、お前が吸うの」

「……口寂しいんだよ、ばぁか」

不動の吐いた煙はゆらりと漂って消えた。
鬼道は不動がタバコを持っている右手を引いた。

「あぶねッ……!」

「馬鹿はどっちだ」

目の前で何か言い掛けた唇を鬼道は自分のそれで塞いだ。
ン、と鼻にかかった声が唇の隙間から漏れた。
舌を入れると、いつも自分が吸っている煙草の味。苦い。でも甘ったるい。
心地よくて、何度も角度を変えて口付けていたら、左手で胸をドンッと叩かれた。

「灰、落ちる」

はあ、吐息を洩らしながら不動は言う。
なんだそれ。色っぽい。
欲を誘う不動のその姿に、鬼道はぞくりとした。
鬼道は灰皿を取って差し出した。
不動はいきなりすぎんだよ、と言いながら灰皿に煙草を押しつけた。

「誘ってきたのはお前だろ?」

「………別に誘ってねーよ」

心外だ、とでも言うように不動は顔を歪めた。本当に何も考えていなかったらしい。
触れたかったのはおれのほう、か。
そんなことを思ったら、鬼道は気持ちに歯止めがきかなそうだ、ということを察した。

「あきお」

「なに……んっ」

もう一度、口付ける。できるだけ、やさしく。
不動は今度は首に腕を回してきた。煙草は既に灰皿の中。
鬼道が横目で時計を盗み見たら、9時。どうやら仕事には間に合わない、みたい。
そのまま不動をベッドに押し倒す。
華奢な身体がベッドに沈んだ。

「……仕事、は?」

「そんなに重要でもないしな」

鬼道は自然と笑みが込み上げた。
不動もつられて、笑う。
お互い我慢のきかない性格なのだ、昔から。
鬼道ちゃんもばかな大人になったねえと不動は呟き、鬼道を抱き寄せた。

そんな幸せなとある日の朝。























だめなおとな鬼不