novel | ナノ





※年齢操作でふさおです。




分かってるよ。




「よ、久しぶり。カントクさん」

と、目の前にいる青年は明るく笑った。




「一瞬誰だか分からなかった。」

「まじかよ。ひっでぇーなぁ」

そう言って明王はけらけらと笑う。
深緑色の目はあまり変わっていないが、半分剃り上げていた髪は長めのショートまで伸びてまるで別人のようだ。
それにFFIのよく笑う。
表情が豊かになったし、雰囲気も柔らかい。

「まあ、鬼道くんとかのお陰かな?」

不動はFFIが終わると、編入試験を受けて帝国学園に入学した。
帝国はエスカレーター式なので、つい最近まで在学していた高校も鬼道や佐久間と同じ帝国だ。
不動の口から鬼道の名前が存外優しい響きを持って吐き出されるのを聞いて、久遠の胸はちくりと傷んだ。
思わず口からこぼれ落ちそうな思いをぐっと飲み込んで、久遠は話を続ける。

「それで、急にやってきて、どうしたんだ?」

あまりにも素っ気ない言葉が自然に出てきて自分で驚く。
そんな態度を気にも止めずに明王は返した。

「アンタに会いに来たんだよ。」
奴は躊躇いもせずにそう言ってのけた。
あまりに正直に言うものだから、驚いたのを取り繕うことができない。
お互い連絡先は知っていたものの、連絡は一切しなかったし、してこなかった。
忘れられてしまったか、と何度思ったことか。
だが、それでもしょうがない、とも思っていた。
だって、相手は自分の半分にも届かないぐらいしか生きていないのだから。
きっと傍にいても俺はこいつを幸せにしてやれないんだろう。
俺はおまえには必要無い、そんなことばかり考えていた。

なのに、目の前の口はそれらをいとも簡単に打ち砕く。


「みっともねぇ顔してんなよな、バカ道也。」


ああ、お前って奴は、



「この俺様をここまで我慢させといて無理ってのはナシだかんな。」



俺が欲しい言葉を、俺よりずっと、分かっているのだ。





「……………分かった。

後悔は、させない。」




「それはこっちのセリフだっつーの」





不動は今日一番の極上の笑顔を見せた。





そして俺は、愛おしいお前の名前を呼ぶのだ。












gdgdだ\(^O^)/
久不でもあきおちゃんは積極的ですね!
てかこれあきおちゃん、道也さん好きすぎですねこれ(笑)


ぬこペンギン様に提出です!

ありがとうございました!!