ロンドンライフ小説 | ナノ






あまーい紅茶


レミさんの作るお菓子


タイニーロンドンのみんな


可愛い生き物


仮装にイタズラ



全部全部私の好きなもの

それは皆さんご存知の事!



しかし私には、一部の人にしか知られていないもう一つの趣味があるのです。




「ミッションコンプリート!」


本日最後の依頼を終えた私はくるりと方向転換して走り出す。向かうはグレッセンヘラーカレッジの一角、教授の研究室。の、裏である。


「よし、今日は誰もいない」


きょろきょろと周りを見渡しこくりと頷く。たまに此処で寝てる人や中を覗いている人が居るが今日は居ない。私は窓の下に音をたてないように静かに腰を下ろす。全神経を集中させて気配を消し窓を覗けば教授が一人で紅茶を飲んでいた。


(ふふふ…ナイスタイミング私!)


それを確認した私は無言でガッツポーズ。依頼を早く終わらせたかいがあったと思いながら目線は研究室の扉へ。私の予想だともうすぐ来訪者があるはずなのだ。


コンコン


(来た…!)


ノックの音に素早く身を屈め、息を潜めて耳を澄ませた。



ガチャ


「ご機嫌如何かな?エルシャール」

「上々だよ。デスコール」

「ふふ、それは良かった」

「待っててくれ。今紅茶を用意するから」

「ああ。頼む」



扉が開く音の後に続いた会話に軽く悶絶する。(勿論音はたてなかった)来訪者はデスコールだ。彼が来る事は予想済みだったがこのやりとりは予想していなかった為多少呼吸が乱れた。


(教授と2人でお茶だなんて良かったねデスコール!)


心の中でデスコールを応援しながら2人の会話に集中する。



「今日はちゃんと扉から訪ねて来てくれたんだね」

「…君が昨日そうしろと言ったんだろう。ご丁寧に鍵まで掛けて」



(あ、本当だ)


デスコールの言葉に窓を見ると確かに鍵が閉まっていた。流石のデスコールも鍵を壊してまで窓から入ろうとは思わなかったのだろう。



「だってそうでもしないと君は窓から入ってくるだろう?」

「否定はしない」

「全く君は…あ。そういえば昨日レミが持って来たフルーツケーキがあるのだけれど、食べるかい?」

「是非頂こう」



(レミさんのフルーツケーキ!?私も食べたい!はっ…駄目駄目!2人のお茶会シーンの方が重要なんだから…!)


突如発覚したレミさん特製フルーツケーキの存在に一瞬研究室に乗り込もうかと思ったがすんでのところで思い止まる。レミさんのフルーツケーキは素晴らしく魅力的だけどそれよりも今はデスコールと教授のやりとりを見守って(覗いて)いたいのだ。しかしやっぱりフルーツケーキは気になるので、せめて見るだけならと中を覗いた。



「美味いな…ん?エルシャール」

「なんだい?」

「付いてる」


ぺろっ



私は素早く立ち上がりダッシュでその場を立ち去った。何故ってそんなの決まってる。静かにしている自信が無くなったからだ。走ってる間にも小さく笑いが漏れて買い物帰りであろうルークくんに不審な目で見られたが、そんなの気にしていられない。自室に駆け込みベッドにばふんとダイブする。そして抱え込んだ枕に顔をうずめ、叫んだ。


「ぺろって…!ぺろって…!デスコールの破廉恥もっとやれ!!」




私の好きなもの

(素敵な教授は世界の中心!)(だから私は愛され教授を見守るのです)(だってそれが生きがいですから!)

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腐淑女ルナちゃん。教授と誰かが絡んでるのを見るの大好き。基本は表に出さないようにしている。でもたまに出ちゃう。まだちょっと純粋なのでキスとかでふぎゃあああ!破廉恥!!でももっとやれ!ってなっちゃうレベル。