7p(さぁ、笑え)


恥ずかしくて、死んでしまいそうだ。
でも、でも、
まだ死んじゃいけない!

お盆を片付けにいかなきゃ!!
それからもう少しぬるいお茶をお出ししなきゃ!

別に、アイスクリーム出すのはいいや。

もう一回、顔見なきゃ!
喫茶店に来られてた時も不定期だったから
次はいつ見られるかわかんないもん。

タイミングをはかっていると、
笑い声に紛れて呼ばれた。

「youー」

「はーい」

まだ顔は赤いだろうか、手で火照った顔を触れながら応接間に向かった。

「なにか御用でしょうか?」

ギロリとイタチさんが目の色を変えて睨んでくる。
目を反らし、私を呼んだデイダラさんへ向き直る。
視界の端に鬼鮫さんが映る。

「うん、やっぱり幻術なんかかかってないだろ!
うん! うん!」

ゲンジュツってなんですか?
そもそもご用件はなに?
何も無ければ、隅っこでいいんで座ってちゃダメですか?
と、言い訳をするために落ちている写真を拾い集めることにした。

鬼鮫さんと比較対象にされた少年は、
多分、
世間一般からすれば美形なんだろう。
でも私の好みかと問われると困る程度。

探せばどこかにいるんじゃないかな、
ってくらいの美形。
多分ね。

全てを拾い上げても、
不機嫌そうに不思議そうに睨みつけられる。

当の鬼鮫さんの表情はよくわからない。
正面からまともに見たら、私は倒れるかもしれない。

「you、茶」

冷酷にもサソリさんの一言で私の至福な一時は終わった。

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