5p(ゲテモノと呼べばいいよ)


震える手でお盆を手渡し、
このまま残りたい気持ちをプロ意識でぬぐい去る。

私はバイト、
邪魔しちゃだめ。
ダメなんだからね!

……別に、冷たいお茶を持ってきてもいいような。


いや、
それは机が片付いてから!
お盆を下げてから!!!
(明らかに言い訳をして来ようとしてる私がいる)

名残おしい、
でも邪魔になるからとその場から離れようとした時、
呼び止められた。

「おい、
この写真の少年とこのサメのどっちがいいと思う?」

「はい?」

あまりにも突然の質問に足を止める。
手にしている写真を示し、イタチさんは私を手招きした。

見てはいけないかもしれないと思い、
もとい、全く気にもならなかった、
写真を覗く。

どこかイタチさんに似た少年が写っていた。

よくよく見ると机に並べられている全てが同じ少年だ。
幼い時期から私と同じくらいの年代まで様々だ。
しかも、正面から写っているのはほとんどない。
視線がこちらにないのだ。

手前の木や草のことを考えると、
どこからか盗み撮りをされているようだ。

犯罪臭がする。



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