3p(ゲテモノ、色物は好きですか?)
やる気もなく、
行きつけの団子屋で三色の串団子を買い込み、
あるはずもない唐辛子やワサビ入の団子を尋ねてみたり、
やっぱりそんなものは無いことに安心して帰る。
「ただいま帰りました」
「早かったじゃねぇか」
珍しく褒めてもらえるのかと一瞬でも脳裏をかすめた不幸。
「ちゃんと探してきたんだろうな?」
目だけで器用に笑うサソリさん。
その質問は予想していました。
「ありませんでした」
「この街全部の店を回ってこい」
その命令は予想していませんでした。
だからといって、そんな面倒なことはしたくありません。
「お客様はいつ頃来られるんですか?」
「ちっ」
そんな、あからさまに舌打ちしないでください。
傷つくじゃないですか。
もう、半分位は慣れましたけど。
やっぱり、傷つくんですよ?
「もう、後ろに来ているんですよ。
お嬢さん」
「えぇっ!? はいっ!!」
はい!!
ごめんなさい。
「し、失礼しました」
慌てて逃げるように振り返りもせず奥へと走った。
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