あやつりピエロ



あやつりピエロを知ってるかい
あやつりピエロは今日もほら
ゆかいな笛を吹いている


あやつりピエロを知ってるかい
あやつりピエロの笛はほら
悲鳴とともに聞こえてる


あやつりピエロを知ってるかい
あやつりピエロの手にはほら
大きなナイフを握ってる



あやつりピエロは暗殺者
おかねもちに頼まれて
今日もだれかを殺してる


あやつりピエロはさみしがり
いつも瞳に悲しみを
浮かべてナイフを振り下ろす


あやつりピエロのところには
いつも誰かの顔写真
こいつを殺せと渡される



あやつりピエロのその素顔
誰も知らない、分からない
分からないから人じゃない?


あやつりピエロのその心
誰も知らない、分からない
閉ざされたまま開かない



あやつりピエロは思ってる

誰も自分と違わない
その手を汚してないだけで
醜いことには違いない

私が人を殺すのは
人の全てを暴くため
怒り、悲しみ、嫉妬に僻み
人の醜さ、暴くため



ある日ピエロは出会ったさ
小さな小さな女の子
ぬいぐるみ抱いた女の子


女の子は手を広げ
優しく笑って言ったのさ
「あなたのお名前教えてよ」


あやつりピエロは答えたさ
「私の名前はあやつりピエロ
それ以外の名はいらぬ」


女の子は首を振り
ちがうちがうと繰り返す
「あなたの名前が知りたいの」


あやつりピエロの真の名は
遠いむかしに捨て去った
思い出せないその名前
暗殺者には不必要
そうして全てを捨て去った


「私を知らないお嬢さん
十数えるからその間
できうる限り遠くへと
ぬいぐるみ置いてお逃げなさい」

「私はあなたのお名前を
知らないままでは逃げられない
私はあなたの名を知って
お友達になりたいの」

「どうして私の友達に
なる必要があるものか」

「だってあなたのその瞳
綺麗であるけど悲しそう
ひとりぼっちはかわいそう
私が友達になりたいの」



あやつりピエロはひとりきり
慰めるための友などは
暗殺者には不必要
遠いむかしに切り捨てて
今ではピエロはひとりきり


ピエロの友になるならば
命を捨ててもらいたい
なぜなら友の言葉には
ピエロの覚悟を鈍らせる



「私を知らないお嬢さん
私の友になりたいと
言ったばかりにその姿
真っ赤なドレスはせめてもの
友に捧げるプレゼント」


血塗れの人形拾い上げ
その腹の中にさがしもの
小さな紙きれ、さがしあて
ピエロはそのまま背を向ける


真っ赤に染まった女の子
ピエロの心の悲しみは
さらに色濃くなってゆく



end


なんで私女の子殺したし

テスト中急に思いついたオリキャラ「あやつりピエロ」
どうでもいい設定として、普段はピエロメイクしてるけど、メイク落とすとイケメンてのがあります



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