監禁



ああ、どうしてこうなったのか。
分からない。分かりたくない。

そんな人の気も知らないで、目の前の親友は無邪気に笑う。

「どうしたの?ほら、顔上げてよ」
「……」
「ねえ、せっかく二人きりなのに、これじゃあ意味ないよ」

そんなセリフ、よく言えたものだ。この状況を作ったのは、お前自身のはずなのに。

男にしては長めの髪。大きめの目。俺の親友は、いわゆる「可愛い」に分類される容姿だった。
それを抜きにしても、俺たちは十年来の親友であったはずで、だから、こいつに差し出されたジュースをためらいなく飲んだのだって、こいつを信頼していたからで。

こいつに薬を盛られるなんて、誰も考えなんてしないはずだ。

実際は睡眠薬らしきものを盛られて昏倒し、気がつけばわずかな光しか差し込まない密室に、手足を縛られて寝転がっていた。

それでも俺は、こいつの仕業じゃないと、他の誰かがやったんだと、まだ信じていたんだ。
こいつが、笑顔で部屋に入ってくる、その瞬間まで。

『おはよう。よく眠れたかな?』

一瞬にして悟った真実はあまりに残酷だった。
馬鹿話して、笑いあって、昨日までいつも通りに一緒にいた親友に、裏切られたのだと。

信じたくなかった。
今だって信じたくない。
それでも、こいつは。

笑って俺を裏切るんだ。


「ねえ、泣いてるの?」

無邪気な声が、一段と弾んだ気がした。

「ああ、そう。そっかー。ねえ、もっと泣いてよ。僕、君のそんな顔初めてみるんだ。もっとみたいよ。これから僕らはずっと一緒だからね。ねえ、だから、僕が知らない顔、いっぱいみせて」

涙で歪んだ世界で、俺の親友は笑っている。

なあ、俺が悪かったのか?
俺が何か間違ったのか?
何がお前をそんなふうにしたんだ?

この先、このまま俺がお前といれば、お前は気が済むのか?

なあ、アキラ。


「ずっと、ずっと一緒だよ……ユウキくん」



end

監禁というお題でヤンデレな親友に拉致られる男を書いてみました
分かりにくい文章ですみませんでした

私が書くオリジナルはヤンデレばっかか(笑)



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