夜の閨で
愛していると嘯くのは、この男には似合わない。
と、言うより、この男に愛だの恋だのは途方もなく似合うことがない気がするのだ。
「……それを今言うのか」
「…………エヘ」
「萎えた。今日はナシ」
夜の閨で、ヨシ決定さっさと出ていけとばかりにオレを押しのけて寝間着を直すこの人に、思わずそりゃないぜと言ってしまった。
「え、ちょっ、まだ何にもしてませんよ!?」
「良かったじゃねぇか、まだ治まりつくだろ」
「無理です既に治まりきれません!」
「あー、なるほど。だからお前、早漏なんか」
「いつもそんなこと思ってたんですか!?」
そんなこんな言い争っているうちに、既に寝間着を直したこの人は布団に丸まって寝る態勢に入っている。
え、本気?オレを置いてもう寝るの?
「え、ちょ、えぇー!!」
「揺らすな寝れねえ!」
「オレのコレどうすりゃいいんですか!」
「自分でシコってりゃいいだろ若ぇんだから」
「虚しいんですから!こういう時に自分でするの!」
「知らねえよそんなこと……」
意識が睡魔に侵され始めているだと!?
睡魔に寝取られた!
じゃなくて
うとうとしてるこの人めちゃくちゃ可愛いなあ……!
でもなくて、いや本当にすげえ可愛くて仕方ないんだけど
「起きて下さいマジで頼みますから!」
「無理……」
「忍でしょアンタ!忍がすぐ起きれないようでいいんですか!?」
「だぁーも、仕方ねぇだろ。お前といると良く寝れんだから」
「そんなんじゃなくて、って、え?」
「ん……」
鼻にかかったような声を出して、どうやらこの人は本気で寝入ってしまったようだ。
てゆうか、今この人なんて言った?
よく寝れる?オレといると?
それってつまり、えーと、あーヤバい頭が働かない。
それほどまでに殺傷能力の強い言葉をこの人は言ってのけたわけで。
愛していると嘯くのは、この男には似合わない。
と、言うより、この男に愛だの恋だのは途方もなく似合うことがない気がするのだ。
ああでも、この人の何気ない言動に、今日もオレはどうしようもなく引かれている。
end
エロを書こうと思い付いたら何故だかこんなことになった。
私が甘い話を書くのは珍しいのである
だから慣れてない感ひしひし。
白凄はどちらもサラリと爆弾発言言っちゃうと思うよ。
そしてまた前サイト再録とかホントすみません
いつか誰か殴ってくだしあ
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