あの人のように器用に愛せたら、俺は。
誰かを羨むなんて俺らしくない。
それでも思う。
あの黄色いあいつのように素直に『好き』と言えたなら。
この身体中から溢れる『好き』で彼を包む事ができたなら。
(それさえも出来ない"俺"なんて)
そっと左目に触れる。
彼ならきっと、迷いなく愛せるのだろう。
あの人のように器用に愛せたら、俺は。
……8<………補足。…
赤→黒。
俺司は臆病です。
そんな自分を変えたくて、でも実際は誰かを羨むばかりで。
結局、自分にないものを持つもう一人の自分にすがってしまったのです。
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