幸せだ、と自分を騙した。
「黒子」
そう呼べば振り向く事は解っていた。
「赤司くん…?」
今まで合わせてもくれなかった目に涙まで浮かべ、彼は僕を見る。
待っていました、会いたかった。
求めて止まなかった彼が今、僕の腕に身を委ねている。
その瞳に映る赤色は"僕"だ。
僕は自分にそう言い聞かせた。
幸せだ、と自分を騙した。
……8<………補足。…
赤黒←赤です。
俺司が好きで僕司から目を背けていた黒子。
黒子が好きな僕司は、黒子に自分を見てほしくて、俺司のふりをしました。
黒子は騙されてくれました。
でもそれは、自分自身をも騙さないと得られない幸せでした。
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