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「大輝くん、起きましょう。良い天気ですよ」
今日も、いつも通りの朝がやって来ました。
小さな弟の大輝くんはボクに良くなついていて、夜はいつも両親ではなくボクと寝ています。
とても甘えんぼさんな大輝くん。
一晩中繋いでいた手をそっと離すと、やっと目を覚ましてくれます。
「んー…テツ?」
「ここにいますよ。もう朝です」
「…ん」
眠い目を擦りながらゆっくりとベッドから降りる大輝くんを見守りつつ、二人分の着替えの準備をします。
「今日は学校はお休みなんです。せっかくの良い天気ですから、朝ご飯を食べ終えたらお外で遊びましょう?」
「!! おう! バスケしよーぜ、テツ!!」
途端に、眠そうな目はぱっちりと開き、キラキラ輝きました。
"大輝"なんて、本当にぴったりの名前だと思います。
「そうですね、楽しみです」
そのためにもまずは早く着替えをしてしまいましょう。
そう言うと、いそいそと着替え始める大輝くん。
大輝くんも、もう5歳になりました。
ボクに弟ができた時の年齢よりも少し上だという事を考えると、ボクは随分しっかりした子どもだったようですね。
でも、だからと言って大輝くんを馬鹿にするつもりなんて全くありません。
大輝くんの方こそ、ボクにないものをいっぱい持っているんですから。
大輝くんは、やんちゃで、少しおっちょこちょいで、甘えん坊で、優しくて、とても素直な、かわいい弟です。
初めて会った時と同じようにキラキラ輝き続けている、ボクの大切な弟です。
ボクは、もっとしっかりしたお兄ちゃんになりたいと思います。
そして、ずっと、大輝くんを守っていてあげたい。
「きがえおわった! はやくメシくいにいこーぜ」
大輝くんに微笑み、手を繋いで、両親が待つリビングに向かいます。
大輝くんと過ごす一日。
とても楽しみです。
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