過去拍手置場
★頻繁には動きません★
▽手作り
「あ、ルフレー。今度時間作れないー?」
「ん?問題ないと思うけど。いつがいいの?」
「ホワイトデー前かなー。お菓子作り教えて欲しくてー」
ヘンリーがお菓子作りなんて言うと思わなかったから、僕はすごく驚いた。
「サーリャがさー、バレンタイン手作りのケーキくれたんだー。だから、手作りでお返ししたくてー」
「あぁ、サーリャは意外に家庭的だからねー」
何を混ぜたのか分からない、怪しげな薬を作るのばかりが目立つけど、サーリャは料理が上手い。
僕も前クッキーをもらったけど、すごく美味しかった。
ただ、渡す時に意味深な言葉を言って去って行くのは少し怖いけど。
「ケーキの作り方教えて欲しいなー。クリームたっぷりのー」
「もちろんOKだよ!ちなみに、ヘンリーの料理レベルはどれくらい?」
「うーん、レベルかー。最近は、インスタントラーメン焦がしちゃったー」
「えっ!?」
インスタントラーメンって焦げるっけ!?
「勝手に水が出てくると思ってさー。フライパンに入れてほっといたら焦げちゃったー」
「…………ホワイトデーまでに間に合うかな…」
実話。
このレベルの方に今度お菓子作りを教えてあげるのです。
2014/05/14 09:10
▽卒業
「卒業おめでとう」
言いたいことはそんな事じゃないのに。
伝えたい言葉があるのに。
今言わなければもう二度と会えないかもしれないのに。
「うん、ありがとう!またね、葉月くん」
この『またね』に甘えて三年間過ごしてきた。
だけど、もう今度はないかもしれない。
次会う時、隣には違う男が立っているかもしれない。
二度とこいつを置いていく訳にも、こいつに置いて行かれる訳にもいかないから。
唐突にGSです、すみません。
3月と言えば卒業。卒業といえばときメモGS葉月くん。
2014/05/14 09:08
▽目標
「ねぇねぇ、今年はどんな年にしよっか」
「今年こそお前にコスプレをさせてみせる!」
満面の笑みのこの男をどうしてやろうか。
2014/03/02 13:48
▽信念
「愛してる」
「いらないよ、そんな言葉」
どんなに愛の言葉を囁いた所で、ルフレは嬉しそうな顔をしない。
興味なさそうに遠くを見て、そんな言葉いらないと一蹴するだけだ。
「ルフレ…俺はお前を…」
「クロム」
ふぅと小さく溜息を吐きながら俺を見つめるルフレに俺はまた愛の言葉を飲み込む。
「どうせ僕は君の為だけに生きて、君の為だけに死ぬ。それだけで十分だろ?」
「しんねん」繋がりでしたが、意味が分からないよ。信念2014/03/02 13:47
▽新年
「あけましておめでとう、クロム」
ぺこりと礼儀正しく頭を下げられて、俺も思わず背筋を伸ばした。
「ああ、今年もよろしく」
「うん!ついでに、来年も再来年もよろしくね!」
「気が早すぎないか…?」
今年も始まったばかりなのに、何で来年の挨拶を今するんだ…。
「どうせ一生一緒にいるんだし、今の内にこれから先の新年の挨拶済ませておこうと思って」
「………」
「何その複雑そうにニヤニヤした表情」
今年もよろしくお願いします。新年2014/03/02 13:45
▽君の為にできること
「ルフレ。お前は俺のためならどれくらいの事までならできる?」
「何でも出来るよ。君が殺せというなら誰でも殺すし、死ねと言うならいつでも死んであげる」
そう、僕は君の為なら何だって出来るんだ。
「本当か?なら…」
真剣な表情で僕を見つめるクロムに、思わず見とれた。
何をしてほしいんだろう。
クロムの言葉の続きを待つ。
「メイド服とか、セーラー服とか、チャイナ服とか着れるのか!俺の為に!」
「…………」
はぁ、と大きく溜め息をついて、クロムを見詰める。というか、睨み付ける。
「もし僕が君に同じように、メイド服やセーラー服を着てくれって言ったらどうする?」
「…………」
「そういう事だよ」
変態クロム。2014/01/08 23:59
▽お父さん
「我が娘、ルフレよ…」
父親だと名乗るこの男に名前を呼ばれると、虫酸が走る。
「あのさ、僕、思ったんだけど!」
「なんだ、ルフレ…」
ニヤリと笑うこの男は本当に気持ち悪い。
「僕が記憶喪失であんな所に倒れてたのって、父親の事大嫌いで、家出した挙げ句、父親の事思い出したくなくて記憶喪失になったんじゃないのかな?」
「な…っ!」
「だってそんな辛気くさい顔したおっさんが家にいたら、こっちまで暗くなっちゃうよ?」
「ぐぅっ…!」
「偉そうだし、胡散臭いし、加齢臭しそうだし、不潔だし…」
そんな話をしていたら何故か膝を抱えて座りだした。
「え?あれ?もしかして泣いてる?」
「小さい頃はあんなに可愛かったのに…」
「あははー。そういうのマジキモいよー」
可哀想なお父さん。2014/01/08 23:57
▽図太い
「僕、ファウダーの娘なんだけどさー…」
唐突に真面目な顔をして話しかけてくるルフレに、またか、と少し溜め息をつく。
「お前はお前だ。何度言わせるんだ」
「あ、そんなんじゃなくて…」
てっきりまた、自分はここにいていいのかなんて弱音を吐くかと思ったら…。
「僕が父親似だったらどーしようかと思ってさ…。あんな顔になっちゃうのかなー…。嫌だなー…」
「……それは確かに嫌だな…」
「仮に母親似だとして、どうやって口説いたんだろうか…」
真剣にそんな事を悩むこいつは本当は図太い女だと思う。
図太いんです。2014/01/08 23:56
▽乙女心
「クロム、大好きー!」
「俺もお前の事が好きだ」
「ちょっ…!どうしたの、クロム!?は…恥ずかしいよ…」
「そうなのか?」
「クロムはそんなキャラじゃないの!」
俺は一体どんなキャラなんだ…。
翌日。
「クロム、大好きー!」
「そうか」
「え…。なんか、冷たい…。怒ってる?」
「いや、お前が恥ずかしいって言ったから、あまり何も言わない方がいいのかと…」
「駄目だよ、乙女心が分かってないなー」
「ルフレ、俺もお前が好きだ。誰よりもあいし…」
「やっぱ駄目ー!恥ずかしすぎて死ぬ!」
じゃあどうすれば良いんだ…。
全くもって、乙女心はめんどくさい。
めんどくさいんすよ。
2013/11/16 14:27
▽笑顔
ルフレはよく笑う。
大きく口を開けてけらけらと笑う事もあれば、くすくすと小さく笑う事もある。
一番よく見るのは、目が合った時に何か声を発する訳でも無く、目を細めてにっこりと優しい笑顔。
色んなルフレの笑顔の中で俺が一番好きなのは。
「好きだ」
頬にキスを落としながらそんな言葉を囁くと、ルフレはいつも顔を真っ赤にして、俺の胸に顔を埋める。
「…反則だよ。君、そんなキャラじゃないじゃないか…」
「思った事は言葉にするキャラだとは思ってるが?」
「うー…。もー…」
バカだとか意地悪だとか顔を真っ赤にしたまま軽く悪態をついて。
「…………僕も好きだよ」
と消え入りそうに言う。
その時の真っ赤な顔をして見せる、照れた笑顔は自分しか見れないんだと、そう思うと俺も自然に笑みが零れる。
ルフレ曰く、そんな時の俺は心底意地悪な笑顔なんだとか。
付き合った後ですね。
2013/11/16 14:26
prev | next