昨日から俺はずっとある事が気になって上の空だった。

「正雄ー?正雄ー?おーい。…駄目だ上の空だこりゃ」

何か保が話しかけてきているけど俺はそんなところじゃない。

こんどー…こんどー…
薬局で徹ちゃんがこんどーって何だったんだろ。
昨日からずっと考えているけど思いつかない。

こんどー…る…?コンドルって言う鳥?いや違うか、やっぱりこんどーじゃなくて今度とか?
でも何か文章的におかしいか?むしろそれが何で俺にはまだ早いんだ?

こんどー…

あ、もしかして徹ちゃんが薬局でこんどーならぬ近藤さんと出会ったって言う話だったのかも!
ってそれじゃ昨日の夜と同じ考えになっちゃうか!アハ!

むしろコンドー…だったりして!なんて!まさかねっ!
あ、でもそうだったら、どうしよぉ!もしかしてあの本を見て俺の為に!?
あぁ!やばいよぉ!徹ちゃんは優しいからそういう所に気配りがききそうだよね!
爪とかもばっちり深爪するくらいに切っちゃってたりしてね!

「おい」

「へ、あ?」

あれ、保の声がやけに無愛想になったな。
俺が無視してたから機嫌悪くなったとか?…いや、まて。今の声の主は保じゃなくてにっくき夏…

「…ぶッ!!」

「うお…痛そうだな…」

いってぇえええ!声がしたほう振り向いたら、何かかたいのが飛んできて俺の顔面に当たったぁああああ!!
保もなにぼうっと静観してんじゃねーよッ!もっと俺の安否を気遣えよッ!

「いってぇじゃねーかぁああああ!何投げてきてんだぁこんにゃろぉおおおお!」

てかやっぱりあのにっくき夏野じゃねーか!ふざけんじゃねーよ!朝からお前の顔見るなんて最悪だぜッ!
しかもいつもは俺のことシカトのこいつが珍しく声掛けてきたと思ったらいきなり人様に暴力かよ!くそ夏野め!横暴にもほどがるだろ!!俺のキュートな鼻が骨折したらどうしてくれんだッ!
こんな分厚い本を投げてきや…って、あれこれ見覚えが。

「あれ、この本って…」

俺の本じゃないかあああああああ!!
まぁ正確に言うと柚木さんのなんだけどねッ!まあ、それはおいといてッ!
そうだこれだよ!これええええ!徹ちゃんの家に行った時に落としたあの本だよぉおおおおおおっ!!!
おかえりぃぃぃそして俺の貞操は守られたぁぁあぁ!もう離さないよぅぅぅぅぅっ!!

「二度と落とすなよ!!!」

夏野に言われなくてもわかってらい!!つか人に物投げつけておきながら謝りもしないで去って行くって言うのはどういう了見だよ!
お里がしれるぜまったく!しかも意味深に自分の腰を庇う様に歩きやがって!お前は老人かっつーの!
まぁ、あいつのおかげで本は取り戻せたのは確かだからちょっと位は感謝してやるぜっ!
ちょっとだけだけどなっ!

「…って、ちょっとまて、夏野のさりぎわの匂いが徹ちゃんと同じなのはどういう事だ…?シャンプーの匂いが同じじゃないかっ!」

「は?あぁ、昨日夏野が泊まったからそれでじゃねーの?」

「な、なんだってぇっ!?泊まりだとぉ!?」

泊りってなんだよ!俺だって昔みたいに泊まりたいよぉっ!夏野ばっかりずるいじゃないかっ!!

「いや、泊まるつもりはなかったみたいなんだけど、夏野が疲れて寝ちゃったからって兄貴が夏野ん家に電話してた」

「疲れて寝ちゃっただとぅ!?」

ふ、ふざけんなよぉおおおお!何が疲れただっつーの!徹ちゃん家に泊まる為の口実なんかじゃねーの!?計算高い奴だぜ!信用ならねー!少しでも感謝してやろうとした俺が馬鹿だったぜ!徹ちゅわんっ!早くあいつの本性に気づいて俺の所へカムバーーーック!


ってコンドー…って結局何なんだよーーーーーー!


Thanks Clap 10.10.14 hikage.
戻ってきたよぅ!

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