はぁ…俺もあんな人になりたい。
人が怪我しているのとかほっとけないのは職業柄かもしれないけど天使みたいな人だよなぁ〜…。
そういえば俺が小学校の時に清水に爪で引っかかれた時も。
俺が清水にそそのかされて木にのぼった時も。
俺が清水にそそのかされて川に飛び込んだ時も。


…って、今思うと俺にとっての疫病神は清水もじゃねーかっ!
中学校あたりからあいつと一緒に遊ばなくなったけどそれまでは色々と…!!
くっそ、夏野といい、疫病神同士くっついておとなしくしとけよ!

「おや、君は確か村迫さん家の…正雄くんだね」

「あ…こ、こんにちは…」

「こんにちは」

ええとこの人は若御院…室井さんだ。
こんな暑い日でも袈裟を羽織って涼しい顔しているのはいつ見ても凄いよなあ〜…
この人自身見た目も人間離れしているし。
住職なだけあって雰囲気も何か他の人と違う気がするよな。
うん。ちょっと苦手だ。

「おや、怪我したのかい?大丈夫かい?」

「こ、これは…そのぉ〜…」

女の清水にやられましただなんて男としては口が裂けてもいえない!
くっそ、清水め!
いつか痛い目に…!!
「気をつけるんだよ。にしても昔から君は生傷が耐えないね」

そう言えばこの人もよく俺が怪我したりする時にいる気がするよな。
鉄塔からおりれなくなった時もいたし。川で溺れそうになった時も…。

「そうそう、昔、君が鉄塔にのぼった時は驚いたよ」

「ぐ…」

あの過去を持ち出すのはやめてー!
あれは俺の恥ずかしい過去の一つだよぅ!
清水にからかわれてのぼって行ったのはいいものの、降りる事が出来なくなって徹ちゃんの前であんな恥ずかしい思いを…しかもあまりにもの恐怖にもらしたし…うぅ…忘れてたのに!!
あの時は父さんや宗貴兄さんから徹ちゃんの小父さんにまで迷惑を…

「って、そう言えばあの時、尾崎先生と一緒に……」

尾崎先生は医者だから分かるけど。そう言えばこの人も俺の事心配して来てくれてたんだった。
そう思うといい人だよな…。苦手とか思って悪いことしたよな。うん。

「あぁ、あれは……ほら、万が一正雄君に不運な事があってもすぐに弔う事が出来る様に」

「え…」

弔うって言う事は、もしあのまま俺がおっこちて打ち所が悪くそのままご臨…俺死ぬ前提で来てたのかYOOOOOOOOOOO!!

用意にこした事はないって言うけどそこは用意しなくていいだろぅっ!

「なーんて冗談だよ。確かあの時はちょっと用事があって村迫さんの所に…ってあれ?正雄君?…おかしいな…敏夫にもう少し会話に柔軟性を持てと言われたんだが…む、難しいな…」

「…」

俺、やっぱりこの人苦手……だよ!!!


Thanks Clap 11.08.17 Hikage.
用意周到過ぎだヨ!

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