▼ 追記
「一本っ!勝者、早乙女!」
「やっぱり早乙女先輩格好いいな!」
「俺もあんな風になりてぇ!」
「キャー!!早乙女先輩抱いてください!」
「あの寡黙なところがたまんない!」
はぁ、またか。いつ聞いても慣れないな。そう一人心の中でごちて面を取る。
「今日の練習はここまで」
「「「「ありがとうございました!!」」」」
「お疲れ、早乙女。お前格好良すぎなんだよ!」
「…ありがとう」
「ああもう!何でそんなに冷静なんだよ。マジ格好良い」
俺のどこが格好良いんだ。寡黙なんかじゃない。声を極力出さないようにしているだけだ。
俺はこの学園の剣道部主将だ。一応身長も180センチあるし、顔もそれなりに整ってるらしくよくこんな風に声援を送られる。“寡黙で男らしい剣道部主将”そんなレッテルが貼られている。それが本当ならどんなに嬉しいだろう。
しかし、俺には誰にも知られてはならない秘密がある。
「もしもし、兄さん」
『ああ!昴の声はいつ聞いても可愛いな!俺にロリっ子妹がいるみたいだ!……だが昴、いつも言ってるだろう。ちゃんと“お兄ちゃん”って言いなさい』
「……お兄ちゃん…」
『ハア、ハア…やっぱり昴にお兄ちゃんって呼ばれたら興奮する。なんだ昴、何でも言ってごらん』
「……あの、お願いが…」
『昴!そこは「お兄ちゃん、すばるお兄ちゃんにお願いがあるの。聞いてくれる?」って言うところだろう。ハア…さあ、もう一度お願いし……』
なんとも気持ち悪い兄さんとの電話を切る。もういいや、母さんに頼もう。兄さんはかなりの美形でエリートだ。しかも周りからは王子様みたいと男女関係なくもてる。しかし、何故か俺に対してだけ接し方が異常だ。いや、あれはただの変態だ。
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なんだこれ\(^O^)/
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2012/08/05 (21:05)