その答えに触れて | ナノ


▼ 22.雷鳴と共に来る男

「アホ牛!そこに乗るな!感電死するぞ!!」
「ああー!やっぱ見てられないー!」

言ってるそばから雷が落雷し、導線の上に乗っていたランボは直に被害を受けた。黒い煙が体から立ち上る。知ってるとはいえ、酷い……。

「うっ……うわあああ!いだいー!!!」
「無事だ!生きてる!」
「幼少の頃繰り返し雷撃を受けることで稀に起こる体質変異。電撃皮膚だぞ」
「クオイオ……?」

電撃皮膚とは電気を通しやすい皮膚のことだ。電撃を食らっても体の表面を通過して地面へ抜けるため脳や内蔵へのダメージが殆どないんだぞ。

「ランボすげー!!」
「雷撃となるだけではなくファミリーへのダメージを一手に引き受け消し去る避雷針となる。それが雷の守護者の使命だ」

昨日、大人ランボは自分を未来から呼ぶなと釘を刺した。子どものランボが助かったとしても大人のランボが死ぬかもしれないから。綱吉君に不吉だからいらないと古い角を押し付けて未来に帰ったランボ。でも必ずやってくる。大丈夫。ここまでもちゃんと原作通り……。

「やれやれ……ギョウザが最後の晩餐になってしまうとは……」
「大人ランボ!!ランボ!ごめん!やっぱり子どもの君じゃ無理だったんだ!」
「謝らないでください。こうなる気はしてたんです…それに若きボンゴレ。こう見えてもオレはやる時はやる男ですよ」

これで10年後のランボは勝てないと悟り、更に20年後のランボを呼び出す。あの不吉だと言われた角は20年後のランボのもので、ランボはレヴィに……

「う……うう…うわあああ!」
「あれは!ランボが置いてった10年バズーカ!」
「10年後のアホ牛が更に10年バズーカを!?」
「ど、どうなっちゃうのー!?」

「やれやれ、この現象。夢でないとすれば随分久し振りに10年バズーカで過去へ来たようだ。」

20年後のランボ…すっかり大人。「おんぶー」なんて言って小さい手を伸ばしてきたランボとは大違い過ぎて。電気を自在に操る姿は雷の守護者そのもので。…でも、10年バズーカの効力はもう無い。途中でランボは戻ってしまった。ああ、もう。だから嫌だ。先を知っているのに。なにも出来ないから。これで手を出そうものなら本末転倒。未来が変わる。そんなことはしちゃダメだ。えりかもそう思ってるから手を出さない。口を結んで視線を下げたままだ。大丈夫、大丈夫。落ち着け自分。目の前のリアルに怯えるな。綱吉君が助けてくれる。助けてくれるんだ。

「ランボが!動かない!」
「このエレットゥリコ・サーキットに一歩でも足を踏み入れれば失格とみなしリングを没収します」
「電撃皮膚がどうした、消えろ!」

大丈夫、大丈夫…!耐えろ、耐えろ自分!…そのとき綱吉君が地面を蹴った。

「どこへ行くんだ?失格になるぞ」
「わかってる…でも!俺…ランボを守らなきゃ!!」

…よかっ、た…ここも、そのままだ。

「目の前で大事な仲間を失ったら……死んでも死にきれねえ。」

綱吉君。

prev / next


[ top ]



×
「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -