その答えに触れて2 | ナノ


▼ 62.捨て身の情報漏洩

「っ…!!」
「おいおい。これがボンゴレの一角を担う雪の守護者か?笑わせる」
「、あの中で…一番…っ弱い…から、」
「ボンゴレ守護者の顔は頭に入れてある。どうもアンタの情報は中々でてこないものでね。俺たちの界隈じゃ伝説じみてたんだが…」

その名の通り、雪のように儚くか細い炎性質。微量で頼りない。他2人のガキは雨の守護者と嵐の守護者で間違い無い。なぜガキになってやがる。本当に若返りの水でも開発しちまったのか?それならおこぼれを頂戴したいねぇ。…しかし、拷問は一人で充分だが…この女なにか妙だ。力の差は歴然。匣を開けられるのかも定かじゃない。そんな奴が古参のボンゴレ守護者として居れる訳がない。

「…っ……、」
「ん?悪い、聞こえない」

力加減を間違えそうだ。女に手荒な真似は避けたいが…ボンゴレならば話は別だ。守護者は依然誰一人として消せていない。こいつで初めてだろう。万が一、この女が吐かなかったとしても後ろにはまだ2人いる。……厄介な真似をされる前に消しておくべきか。生かして研究チームに引き渡すか。…雪の炎性質はレアだ。失うには……惜しいか。

「お前をこのまま連れて行くことにするぜ。手荒になっちまって悪いが、ちと眠ってくれお嬢さん」
「…、」
「!!な、…!…おいおいおい、」

嘘だろ、こんなことあるのか??雪は確かに研究対象だ。謎の多い属性として有名でうちに雪の奴はいない。だが、……今ではっきりした。相手の属性を一時的に写し取る能力。雷属性の炎を写し、俺の攻撃を雷の硬化で防いだ。思わず手を離した拍子に女は後退する。

「…まさか、そんな能力があったとはな。合点がいったぜ。元来の炎が弱いのは他の炎を相殺しない為。炎性質上の組み合わせが問題なんだろう。まるで鏡合わせだ」

ひとつ。でかい情報を仕入れたな。こいつを入江に伝えるには価値があり過ぎる。さぁて…どうするか。

「実験体として渡すには気が引けるねぇ」

限界まで追い込んで、情報を引き出すか。



「ひいいいいいえええええええええ!!」

雲雀様、まじ雲雀様。運転が本当にキチレベル。何度白目を剥いたことか。これで建物や他の車に擦らないってどんだけ???

「ふうううえええええええええ」
「気持ち悪い声出さないで」
「大声出してないと発狂しそうなんだよ!!ついでに酔いまくりだよ!!」
「吐くなら降りろ」
「盛大にぶちまけてやる」
「ハウス」
「どこにだあああああ!」

ギギャギャギャ!!!タイヤを盛大に擦らせて雲雀は漸く車を停めた。ミルフィオーレの追っ手は撒けたみたい。あれだけ爆走運転されれば追いつけないだろう。

「よ……よ、ようやく地面だ…地面恋しかった…」
「Aランク以上のリング反応…。行くよ。紅林がリングをマモンチェーンから外している」
「えっ、えりかがいるの?」
「この神社に集まるリングは計4つ。向こうは隊長クラスとみて間違いない。」
「えりかって確か戦えないんじゃっ…!!」
「その通りさ。ある事情で前線からも退いている。」
「ならなんでこんなところに…!」

雲雀の言う隊長クラスの敵はγに違いない。えりかは知ってるはず。なのになんで山本達についていったの!?…って、違う違う!今は自分にできることを考えなきゃ!ていうか、ウチができることってなに!?

「怪我人の対処くらいできるでしょ。僕は今…機嫌が悪いんだ。」
「そそ、そ、そうでしょうね」

眉間の皺ハンパな!!!!!凶悪面!!!そうだろうよ。久々に並盛に帰ってみたら風紀がどんより汚されてたんだもの!!ぷちっときちゃうよね!?バチバチと雷の音が聞こえる。きっと向こうだ。雲雀は素早く指にリングを嵌ると紫の匣を取り出した。雲が描かれてる。

「匣?」
「君もこの時代の戦い方を見るといい。匣は昨日説明した通り。体を巡る生命エネルギーを炎に変換し匣に注入する」

勢いよく飛び出た球体はえげつない回り方でぶっ飛んでいった。一瞬過ぎてよくわからなかった。雑木林を薙ぎ倒し道を作る。

「君が知りたい事のヒントをあげよう。彼らは過去から来たのさ。僕は愚かじゃないから入れ替わったりしないけどね」
「…何やらあんた詳しそうだな…だがドンパチに混ぜて欲しけりゃ名乗るのが筋ってもんだぜ」
「その必要はないよ。僕はいま機嫌が悪いんだ…君はここで、咬み殺す」

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