04
ベッドの上で抱き締め合う。指を絡めたまま。いつもなら私が彼の胸に頬を寄せているのだけれども、今は違う。
「ん、ぁ、レイ……ッ」
掻き毟ったせいでついた胸元に刻まれた幾つも赤い線の上をレイの舌が何度も何度も行き交う。
「ッ、あっ」
見下ろせばレイは長い睫毛の下で薄っすらと目を開けて真っ直ぐ赤い線を見つめていた。胸を舐められているわけでもないのに、淫な行為に腿を擦り合わせてしまう。
「はぁ……ん、レイ、もう、や」
「痛くないか?」
「んぁ!」
ちぅっと吸われれば、自分の口から甘い声が零れる。咄嗟に絡めていた指を離し、両手で口を覆った。
「First name、痛くないか?」
それでもやっぱり痛みが気になる彼は私の淫な焦りなんて気にせずに舌を這わす。
「ん、大丈夫、だから」
「あの男、許さない。君を泣かす奴は、私が殺すから」
あぁ、狂気にも似た独占欲が私の頭を可笑しくする。
やっぱり籠の中の鳥も悪くない。
傷なんて無い首筋に唇が触れて、生気を吸うように強く吸われれば……。
「んあぁ!」
狂喜な甘い声を上げた。
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