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18

久しぶりの談話室で私は佇んでいる。ハーマイオニーに抱き付かれながら。


「あ、ハーマイオニー。久しぶ、ごふっ……」

「First name!」


猪突猛進が如く抱き付いてきたハーマイオニーに唸る。見かねたハリーがハーマイオニーを引き離してくれた。


「ちょっ、ハーマイオニー!First nameが窒息しちゃうよ!」

「あ、私ったら、ごめんなさい。でも、私、本当に心配で……」


いやいやいや、その気持ちだけで本当充分ですから。美少女からのハグとか窒息の前に出血死だから。


「そんなことより、聞いてよFirst name!君が倒れた後、ハリーがすごかったんだから!ハリー、クイディッチの最年少シーカーに選ばれたんだ!」


興奮が冷めないらしいロンとは反対にハーマイオニーの表情が険しくなるのを私は見逃さなかった。


「あ、あの!」


三人と話に花を咲かせていれば、不意に声を掛けられた。


「ネビル?」


振り向いたそこには何やらおどおどしているネビル・ロングボトムがいた。


「First name、ご、ごめんね。また、僕、君に怪我を……」


おい、ネビル。喋り方がクィレル喋りになっているぞ。


「ううん、気にしないで。勝手にした私がいけなかっただけだから。ネビルが大した怪我しなくて良かったよ」

「う、うん!本当にありがとう!!」


暗い表情から満面の笑みに変わったネビル。
あぁ、いい子なんだな。背中に羽根が生えたようにパタパタと離れて行った。

ネビルの腕に巻かれた包帯を見つめて。


「First name?」

「ん?」


ハーマイオニーが遠慮がちに私を呼ぶ。笑顔を作るのは得意。大丈夫、たとえ私の行った馬鹿げた行為が少しも意味のなさないものだと知っても嘆いたりしない。

大丈夫、笑顔を作るのは得意だから。


「ほんとに、First nameが元気になって良かった」

「ありがとう、ハーマイオニー」


私のことなんてどうでもいいの。
私のことなんてほっといて。
私のことなんて……。

ヒロインのあなたには私の惨めさなんて分からない。

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