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17
その日のうちに寮へ戻る許可の下りた私は、閑散とした廊下にいた。窓から差し込む日差しは橙色。一日が終わろうとしていた。
「偽善者、だって」
ぽつりと零した言葉は誰にも拾われずに落ちていく。
「笑っちゃうね」
窓の映った姿は、見慣れた幼い私。違和感なんて浮かばない。しっくりくる今の私。そんな私が私に笑いかける。
「あなた、偽善者だって」
向こうの世界の私が私を嘲笑った。
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