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07

朦朧とした意識の中で、ふわふわと浮いた感覚。それは安心にも似た揺りかごに揺られているような、そんな感覚。

遠くの方で女の人の驚くような声がした気がした。

陽だまりにいるようで、あぁ、ここは温かいななんて思っていたら不意に温かさが離れていく。柔らかいどこかに下ろされたみたいだけど、私はまだその温かい場所にいたくて手を伸ばした。
すると指を絡めるように私よりも何倍も大きな手が私の手を包んでくれる。絡まる指は細くて繊細そうだけどごつごつした指で、ぎゅっと握れば応えるようにぎゅっと強くなった。

それが嬉しくて零れるように頬を緩めれば、指を絡めたまま反対の手が伸びてきて細い指先でそっと前髪を掻き分ける。そして、そのまま流れるように頬を包みこんだ。


「First name」


低く、耳に心地よい声が私の名を紡いだ。

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