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02

ベッドの上で胡座をかき、腕組みをしながら向き合っているのは二冊の分厚い本。


「ハリポタ、最終巻。発売当日に購入したものの封を切る勇気が持てずまる二年と半年と数日。さすがに映画が始まるとなれば、その前に読まなければならないか」


ファンタジー、児童小説、漫画が大好物。人は私をヲタクと呼ぶだろう。だがあえて言わせてもらおう。私はヲタクではない。コレクターだ。

人よりも夢見がちな女子高生。花のセブンティーン。他にやっておくべき青春は山積みだが、今の私はこの分厚い二冊の小説と闘わねばならない。どうか、止めてくれるな。てか、邪魔するな。

覚悟を決め、私はぎゅっと目を閉じて1ページ目をめくった。

刹那、強い風が吹いた。そして何の前触れもなく呆気ないほど簡単に私は意識を手離した。

窓の隙間から入る風は穏やかにカーテンを靡かせ、読み手の失った本をペラペラと捲り、勝手に物語を進み出す。

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